東銀座: 新歌舞伎座 桟敷席

一生に一度、桟敷席で歌舞伎を観よう!

 Takako Sakamoto   2014/03/17によって

先日 銀座歌舞伎座 に歌舞伎を観に行った。単に歌舞伎を観に行くだけなら特筆すべきこともないのだが、今回は特別に書きたい 。なぜなら、生まれて初めて銀座歌舞伎座の1 階桟敷席に座ったからだ。歌舞伎座の桟敷席は、食事をしながら観劇を楽しめる特等席だ。しかし実は江戸時代、一般庶民は畳敷きの座敷に弁当を広げ、飲み食いしな がら歌舞伎を楽しんだのである。桟敷席はその名残で、代金も通常の1 等席と 2,000 円しか違わない。ではなぜみんな桟敷席に座らないのか?! それは単に座席数が少なく、チケットを取るのが難しいからだ。しか し銀座歌舞伎座は日本で唯一歌舞伎のみに特化した劇場で、毎月1 日 ~ 25 日の千秋楽まで興行しており、日時さえ選ばなければ取れないことはない。

桟敷席 は1 階の片側 20 列 × 2 の40 席、2 階 22 列 × 2 の44 席で、 2 階席はテーブル があるのみ、食事のデリバリーはないが、短い休憩時間中 ( 30 分、15 分、15 分の3 回 ) あたふたと食事を掻き込む必要はなく、ゆっくりと食事でき、代金は通常の1 等席と同じだ。1 階桟敷席には事前に予約した食事が第1 回目の30 分休憩が始まる前に運ばれる。もちろん自分で何か食事を持ち込んでも良い。

私と友人は、せっかく1 階桟敷席に座るのだから、是非食事は運んでもらおうと、桟敷幕の内弁当 なる物を事前注文し ( 3,700円 / 人 )、小さな日本酒ボトルと猪口を持参した。たまたま演目の一つが 勧進帳 で、この中に弁慶が富樫と対決した後、ふるまい酒を巨大盆になみなみと注ぎ入れ飲み干す場面がある。私たちは中村吉衛門演じる弁慶が盆酒を飲み始める瞬間を見計らい、ステージの弁慶に向かって猪口を掲げて乾杯し、福井から持参した日本酒、白山を飲み干した。その感激、言うまでもない。他の桟敷客で酒を持ち込んでいた人は見渡す限りいなかったので、おそらくこの夜弁慶と酒を酌み交わしたラッキーな人間は、世界で私たち2人だけだったかもしれない。この幸運を考慮すれば、2,000円増しの桟敷席、決して高くはないのである。

さてこの歌舞伎座、実は昨年4 月に 3 年間かけて改修工事を終えた 5 代目だ。背後に巨大オフィスビル、歌舞伎座タワー が出現した以外、一見何も変わっていないように見える。しかし 4 代目歌舞伎座と比較すると、洋式トイレの数が激増、エスカレーターも各所に設置され、地下鉄からも直行できるなど利便性が向上した。歌舞 伎座タワー 5 階には歌舞伎の衣装等が展示されている 歌舞伎座ギャラリー があり、営業は10:00~18:00 (最終入館17:30まで)、入場料は大人 600 円、小・中学生 500 円 ( 小学生未満無料 ) だ。また 4 代目歌舞伎座の瓦や河竹黙阿弥の石燈籠等が展示されている屋上庭園(無料)もある。

歌舞伎は、一般的に何やら敷居の高い高尚なもののように思われているが、さにあらず。一度試しに見てみれば、少し言葉が難しく様式化されているだけで、一般の時代劇とさほど変わりはない。そもそも江戸時代には武士に好まれた能と違い、一般庶民が親しむ大衆芸能だったのである。そして古典劇やオペラ、バレエ同様ストーリーは決まっている。事前にパンフレットを読み頭に叩き込んでおきさえすれば内容は十分理 解できる。理解の一助に、イヤホンガイド も利用料 700 円 ( 英日、デポジット 1,000 円 ) で提供されている。この 他、日英の字幕ガイド ( 1,000円、デポジットなし )  もある。

銀座歌舞伎座には毎日毎夜、全国各地からツアーバスが到着する。みんな、400年超の歴史を誇る日本の伝統芸能歌舞伎を、一生に一度歌舞伎の殿堂で観ようと各地から駆けつけるのだ。そんな歌舞伎を新装開店 の銀座歌舞伎座であなたも一度体験してみてはいかがだろうか。チケットは通常 1 等席 15,000 円~ 18,000 円、2等14,000 円、3 等 A 席 6,000 円、B 席 4,000 円 ( 価格は公演内容により変化する ) だが、銀 座歌舞伎座だけの特典、一幕見席 ( 1 幕のみ見られる席 ) なるものもあり、これは 4 階席で 2,000 円だ。一幕見 席は当日券のみの販売で並ばなければいけないが、時間が余った際にふらりと歌舞伎座に立ち寄り、一幕だけ観て帰るのもまた粋ではないか。チケットの購入方法など詳しくは松竹運営のホームページ を、詳細な写真は 別の記事 をご参照頂きたい。

Takako Sakamotoさんによって書かれました。
ジャパントラベルのパートナー

近所を探す

会話に参加する