姫路城と熊本城

日本最高の城の白と黒の物語

日本には何百もの城がありますが、いつの時代も一番人気を集めるのが、大規模で築年月が古く、建築様式が見事な城です。この記事では、日本で最も愛され、現存する防衛要塞の最高傑作として常に上位にランキングされる2つの城、姫路城 (兵庫県) と熊本城 (熊本県) をご紹介します。

2つの城はそれぞれ違った特徴を持っています。真っ白で優美な姫路城とは対照的に、熊本城はいかにも強そうな黒塗りです。興味の湧いたところで、各城をもっと詳しく見ていきましょう。周辺の街の見どころもお見逃しなく。

姫路 — 詳細

姫路城は、日本の中心部に位置する兵庫県に、400年以上もの長きにわたり誇り高くそびえ立っています。他に多くある日本の城とは異なり創建当時の姿で現存し、長年その敷地とともに良好な状態で保存されてきました。1993年には、日本で初めてユネスコ世界遺産に認定され、国宝指定も受けています。その白い外観と優美さから「白鷺城」とも呼ばれる姫路城は、日本で最も大きい城の一つです。

城内には数多くの櫓や塔、城門があり、中心部に建つ7階建ての天守閣(大天守)が一番の見どころです。卓越した技術による建築美が至るところに見られ、歴史的にも評価の高い当時の木工職人たちの素晴らしい匠の技や芸術性を心ゆくまで堪能できます。美しい破風に飾られた本瓦葺の屋根のほか、ユニークな形の抜け穴や、扇形の石垣に代表される数多くの防衛設備など、姫路城には興味をそそられる繊細かつ見事なお宝が、広大な敷地内にたくさん隠されています。

観光客は、創建当時の構造がそのまま残されている7階建て天守を見て廻ったり、敷地内にたくさんある絶景スポットで写真撮影を楽しめます。西の丸の見晴らしの良い場所や天守閣南西部、または、聳え立つ天守閣前に広がる備前丸広場などが最高の写真撮影スポットです。

姫路周辺

  • 好古園は、9つの庭園で構成される伝統的日本庭園です。中央に配された池には鯉が泳ぎ、他にも滝や天蓋付き渡り廊下、静かな「御屋敷の庭」があります。茶の庭では茶会を見学できるほか、「双樹庵」では抹茶の試飲も楽しめます。

  • 明治創業の木造酒蔵、灘菊酒造では、日本酒の作り方を学べます。この酒蔵で醸成された日本酒をふんだんに使った日本の伝統健康食を体験してみましょう。

  • アーケード商店街やショッピング街には、小さな発見がたくさんあります。はまもとコーヒーでサイフォンで淹れたコーヒーを味わい、名物「アーモンドトースト」を食べてみませんか? (こころみ) で兵庫県の酒文化を体験し、アーケード街にあるフレンドリーでお手頃価格の588ゲストハウスに泊まってみましょう。

  • 城から遠く離れた場所で、心に残る姫路城の景色を眺めてみませんか? イーグレひめじデパート(ここを参照)の屋上展望台やピオレ姫路の屋上からは、美しい姫路城の姿が楽しめます。また、姫路駅の北にある展望台は、夜間ライトアップされた姫路城を眺めるのに最適です。

熊本 — 詳細

熊本城は1607年、戦国大名の加藤清正により創建されました。武勇名高く、優れた戦略家でもあった加藤清正は、熊本城を難攻不落の一大防衛要塞として設計しました。いかにも強そうな黒漆塗りの外観はもちろんのこと、敵がよじ登れないように傾斜をつけた「武者返し」と呼ばれる石垣や、入り口に設置された「忍返し」と呼ばれる鉄串など、熊本城には敵の侵入を防ぐ工夫が随所に凝らされています。また、籠城に備えて何百もの井戸が城内に掘られているなど、より戦略的な防衛手段も装備しています。

敷地内の付帯木造建築物の一部は創建当時のまま保存されていますが、広い敷地の中には、長い歴史のあいだに再建された部分がいくつかあります。1877年の西南戦争では、いくつかの建物が著しく焼失しました。近年では、2016年4月に発生した熊本大地震により数多くの櫓や天守閣が損傷し、その修復作業には今後数十年かかると予想されています。天守閣は2019年復旧予定です。

修復工事のため、現在お城の中には入れませんが、見学ルートが確保されており、敷地外からは見学できますので、この機会に日本で最も愛されている熊本城を是非見に行って下さい。大地震にも負けず全ての天守閣は生き残り、地平線に沿って誇らしげにそびえ立っています。天守閣がよく見える場所は、城の南東にある熊本市役所の最上階でしょう。

お城のふもと、城内南西部の桜の馬場にある城彩苑には、お土産屋や食べ物屋があり、古い城下町気分が味わえます。旅行者インフォメーションセンターがありアクセスも良いので、熊本城観光のスタート地点には最適です。またここからは未申櫓と飯田丸五階櫓がよく見えます。飯田丸五階櫓は倒壊防止の鉄骨で覆われていますが、これも日本の技術の一つです。

城彩苑から敷地の外縁沿いを歩き、二の丸公園を過ぎると加藤神社に着きます。ここからは高い石垣の上に聳え立つ宇土櫓と天守閣が一緒に見渡せます。

熊本周辺

熊本城以外にも熊本には見どころがいっぱいです! 例えば...

  • くまもんの公式ショップくまモンスクエアで、くまモングッズを手に入れよう! 熊本の公式マスコット「くまモン」は、日本で最も有名なご当地キャラクターのひとつです。くまモンスクエアでは、くまモンの幅広いグッズを取り揃えており、ここにはなんと、くまモンのオフィスまであります。
  • 金峰山の麓にひっそりと佇む霊巌洞を訪れてみましょう。かの有名な宮本武蔵はこの静寂立ち込める地で晩年の数年間を過ごし、有名な「五輪書」を書き上げました。
  • 水前寺成趣園へは、和Collection美都に立ち寄ってから行くのがお薦めです。お店のスタッフが写真撮影用にあなたにピッタリの着物を選び、着付けてくれます。写真を撮るだけでなく、着物を着たまま庭園の散歩もできます。着物姿で出水神社や伝統的なお茶屋に立ち寄って、思い出に残る体験をしましょう。ミニ富士山やその他の名所もお見逃しなく。
  • 夕方には、熊本で一番人気のとんかつ屋、勝烈亭に行ってみましょう。 その後はGlocal BAR 芋vibesに立ち寄り、焼酎について学んでみましょう。元気いっぱいのノリさんが焼酎への愛を存分に語ってくれるはずです。焼酎初心者のあなたには、お勧めの飲み方も教えてくれます。もしまだ少しお腹が空いているのなら、ご当地ラーメンもおすすめの一品です。カリッと揚げたにんにくチップをトッピングした熊本ラーメンは、昔から人気のご当地ラーメンです。

姫路城と熊本城は共に、石造りと木造建築技術、匠の技を結集した、現代に残る日本の防衛建築物の輝かしい模範例です。

いずれの城も、国内2つの異なる地域で非常に対照的な建築様式を用いて建てられていますが、現在では新幹線でわずか数時間で2つの城を見学することができます。

一日あれば2城を充分廻れますが、それぞれの場所で面白い地元文化が楽しめますので、旅行を満喫するには各地につき数日間滞在するのがお薦めです。

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