ふらり かくれ里に親王の伝説を訪ねて

白洲正子のかくれ里に書かれた東近江市君ケ畑に、親王の伝説と木地師の謂れを求めてきました

滋賀県東近江市君ケ畑、鈴鹿山脈の懐にひっそりと隠れたように集落が有ります。名神高速八日市ICから24Km、車で国道421号を紅葉の名-所永源寺を過ぎ、ダムを横目に走り政所から県道34号を箕川、蛭谷を過ぎ右に分かれて50分ほどの所です。車以外で行くには、JR近江八幡から近江鉄道で八日市へ、そこからバスで50分の永源寺支所へ、支所から市営バスで君ケ畑まで50分。予約の必要な時もありますので時間など十分調べてから行ってください。

途中の谷は少し暗くて「小暗谷」が地名の小椋に変じたのではと、かくれ里の中で白洲正子さんが述べておられるのですが、全国の小椋さんの発祥の地であるともいいます。ここには、平安時代の859年ごろに文徳天皇の第1皇子であった惟喬親王が、皇位継承の政争の難を逃れ隠棲された伝説と、御陵、天皇家に許される16花弁の菊の紋、5本筋の御所塀が有ります。親王は、ドングリの帽子と読まれていた法華経の経典が手元を離れ転がったことからろくろの仕組みを考え付かれ、此処から全国に広がったとか。また親王の従者が岐阜に行った折、さざれ石と言う不思議な石の存在を知り、君が代の歌を詠んだとか。君が代の君は、親王の事だったんですね。

集落の水源の施設の上に車を止め、集落の道を歩くと石段の上に立派な山門が有り、木地師の由来が書かれています。この曹洞宗の金龍寺は、高松御所の扁額を掲げ、中央は寺院、横に皇霊殿、その中には、室町時代と言われる能面が収蔵されています。御所の隣には親王の物と言われる御陵があり、その向こうには日本中の木地師の氏神と言われる神社が大杉の中に鎮座されています。境内に入るとすがすがしい気と静けさが何とも言えぬ雰囲気を作ってくれています。拝殿の正面で手をまっすぐ少し開けて差し出した時に感じられるパワーは、ぜひ体験していただきたいものです。

世俗の垢を、こんな山里で落とすのもいいですね。行かれる時は「木地師のふるさと高松会事務局」電話090-9991-0130に連絡されることをお勧めします。

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