8月1日
8月12日

世界バレエフェスティバル in 東京 2018

世界のトップダンサーが東京に集結する、3年に1度のバレエの祭典

場所: 東京文化会館 日付: 8月1日~8月12日(日)

この広い世界の中で東京が、一流のバレエが観られる唯一の数少ない国際都市の一つだとあなたはご存知だろうか? 恐らく知らない人の方が多いだろう。しかし実際東京だけでなく日本の大都市には、パリ・オペラ座やイギリスのロイヤル・バレエ、シュツットガルトバレエ、ボリショイバレエ、アメリカン・バレエシアター等々、数多くの著名バレエ団が毎年次々にやって来るのだ。

そんな中でも一際光彩を放つ、華やかなバレエの祭典が日本にある。1976年の初開催以来、過去40年間の長きにわたり3年に1度定期的に東京で開催されてきた「世界バレエフェスティバル」だ。その記念すべき第14回目のフェスティバルがこの夏上野の東京文化会館で開催された。毎回8月上旬に始まり8月中旬まで約2週間開催される世界バレエフェスティバルだが、今年は7月29日の全幕特別プロ「ドン・キホーテ」を皮切りに、8月1日から8月13日まで続き、8月16日の特別ガラ公演を最後に華やかに幕を閉じた。

世界バレエフェスティバルの最大の見どころは、何といっても世界中のありとあらゆる有名バレエ団所属のトップダンサー達が一堂に会する点だろう。しかし他にも見どころはある。少なくとも私にとっての見どころは古い世代から次世代へと変遷するバレエ界の時の流れを目の当たりに検分出来る事だ。例えば私が初めてこのバレエフェスティバルを見た1985年当時、一世を風靡していたダンサーはパリ・オペラ座のパトリック・デュポンやノエラ・ポントワで、今では大御所のシルヴィ・ギエムやモニク・ルディエール、マニュエル・ルグリなどはエトワールになりたての、ほんの新人だった。そのマニュエル・ルグリは今年のバレエフェスティバルにも参加していたが、とうの昔にパリ・オペラ座を退団 ( 定年退職 ) し、今ではバレエ界の重鎮としてウィーン国立バレエ団の芸術監督を務めている。今年は参加しなかったシルヴィ・ギエムは50歳を節目にこの年末をもって引退することが決まっている。世界バレエフェスティバルの常連で、かつて絶大なる人気を誇ったジョルジュ・ドンは1992年に惜しくも他界、1976年と79年にフェスティバルに登場したロシアの伝説的プリマ・ドンナ、マヤ・プリセツカヤは齢 ( よわい ) 90歳にして本年他界した。

そんな古い世代と入れ替わるように現在人気を博し、今年の世界バレエフェスティバルに鳴り物入りで登場したのが、例えばパリ・オペラ座の現エトワール、マチュー・ガニオだ。彼はかつてこのフェスティバルの常連だったマルセイユ・バレエ団のトップ・ダンサー、デニス・ガニオとドミニク・カルフーニの息子だ。私は彼の母親、往年のドミニク・カルフーニの大ファンで、彼女の繊細で優美な踊りにうっとりしていた一人だった。彼女がマチューを産んだ後復帰し、美しい脚線美で観客の度肝を抜いた時の妖艶な姿が、今でも鮮明に心に思い浮かぶ。そんなカルフーニの優雅さを受け継いだ息子マチューが立派に成人し、彼のダンスを生で見られるなんて、なんと時の流れは早いものか、頑張って今まで生き永らえた甲斐がある、と、言葉を失う思いがした。

世界バレエフェスティバルのプログラムはクラシックバレエの名作「白鳥の湖」や「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」等々からの抜粋に始まり、モーリス・ベジャールやウィリアム・フォーサイス、イリ・キリアン、ジェローム・ロビンス等モダンバレエの巨匠達の作品群までが網羅された広範なものだ。この約5時間に及ぶ世界バレエフェスティバルさえ見れば、現在の世界のバレエシーンを間近に体験することが出来る。チケットは8千円の E 席から2万6千円の S 席まで数種類あり、NBS ( 日本舞台芸術振興会 ) のホームページEプラスチケットぴあ等のチケットサイトから購入できる。東京文化会館のチケットブースでも入手可能だ。

次回、第15回世界バレエフェスティバルは今から3年後の2018年に開催される。3年後にまた上野で会いましょう!

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