サイアムガーデン・レストラン

名古屋とタイの宴結び

よく、「地元の人が食べているからあそこはいい店に違いない」というのがいいレストランの目印になるといわれる。名古屋の伏見にあるシアムガーデン・レストラン、ヒルトンホテルからすぐのこのレストランは、いつ行っても、ランチでもディナーでも、日本を訪れているタイの高官や会社の重役、または東海地方一円に沢山あるタイ関係の会社の社員を必ず見かける。

このレストランはちょっと変わった3階建てのビルになっており、かつて70年以上もの間タイとゆかりのある建物だった。1931年に、名古屋城の堀に注いでいる堀川のほとりに立てられた。この目を引くレンガ造りの、旧植民地時代の建物は、もとは加藤商会の本社として建てられたものだ。1935年から第二次世界大戦勃発までの間、シャム国、つまり現在のタイ王国の領事館が置かれていた。

この建物は、戦時中名古屋の集中爆撃による被害を免れ、さらに戦後の急速な再建でも生き残った数少ない建物のひとつである。1967年12月まで加藤商会はここを本社として使用していた。現在「登録有形文化財」と指定され、2005年に再び変容を遂げ、シアムガーデン・レストランとなった。

店内は、大きな窓に高い天井、趣のある装飾で落ち着いた雰囲気をかもし出している。そして出される料理すべてがさらに気分を盛り上げてくれる。裏ではタイ人のシェフが料理を用意している。メニューは本格的で幅広い。料金は350円のタイのもち米かジャスミンライスから、3200円の牛肉のグリル スパイシータマリンドソースまである。1400円前後の品が多いので、満足いくサービスと料理を楽しんだあとでは、この値段設定は嬉しさ倍増である。

私が最近友人何人かと食べたものをあげると、ヘルシーでおいしい海老とタイバジルの生春巻き「ポピア・ユアン」と、黄金色に揚げられたタイハーブ入りさつま揚げ「トドマンプラ」、シアムガーデンオリジナルのグレープフルーツ・サラダ、「ガイ・パット・メットマムアンヒマバーン」はひとくちサイズではあるが、鶏肉のカシューナッツ炒めがパリパリのお煎餅の器に盛られたものだ。コレが美味しい! さらに「カオパット」、カニ肉のタイ風炒飯に目玉焼きを乗せたものと、締めにはココナッツアイスクリームと、ココナッツミルクで煮たもち米添えフレッシュマンゴーをいただいた。ご馳走様でした!

他にも何皿か頼んだのだが、何なのか皆目見当もつかず、お店の人の説明を聞いてもさっぱり分からないものだったが、味のほうはどれもみな美味しかった。料理の腕というと当方ミューズリーにミルクを注ぐかトーストにベジマイトを塗るのがせいぜいなので、タイ人の友人の意見を参考にすると、サイアムガーデンの海老のスパイシーサワースープ「トム・ヤム・クン」と、鶏肉のグリーンカレーは日本で食べた本物のタイ料理に一番近い!ということだった。

ランチはAM11:30からPM2:30まで、ディナーはPM5:30からPM10:30まで営業。サイアムガーデンは毎月第一と第三日曜がお休み。グルメと程遠い私がエンジョイできたのだから、あなたならきっと最高に満足できるだろう!

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