パーク・ハイアット東京の「ニューヨーク・グリル」

映画「ロスト・イン・トランスレーション」気分でパノラマビューを満喫しよう

2003年公開の映画「ロスト・イン・トランスレーション」のファンなら絶対一度は行ってみたい場所がある。ニューヨーク・グリルだ。かの有名なパーク・ハイアット東京の52階にあるこのレストランの隣にはニューヨーク・バーがある。このバーは劇中でシャーロット(スカーレット・ヨハンソン)とボブ・ハリス(ビル・マーレイ)が初めて出会い、カクテル片手にタバコをくゆらせながら、時折パーティーから抜け出しては語り合った場所だ。ニューヨーク・グリルのメニューは少しお高く、ドレス・コードもある。日本で何か祝い事をする時、国際的な環境でハイ・レベルの洗練されたサービスを求めるなら、特別な夜をこの東京のニューヨークと呼ばれる新宿からスタートしてみては如何だろう。

52階の窓から望むパノラマ絶景を眺めるだけでも行く価値はあるというものだ。エレベーターから降りるな否や、あまりの美しさに息を呑むこと請け合いだ。吸い込まれるように、足が勝手に床から天井まで一面に広がるガラス窓に向かってしまう。そこから見る新宿の夜景はまさに天国の情景だ。美貌の接客係がテーブルまで案内してくれるが、ぼーっとせずに、カメラの準備は万端整えておこう。ここに来た目的、「ニューヨーク・バー」に到達するまで注意は怠らず、すべての行程をしっかりレンズに収めなければならない。うわぁ! ラウンジはまさに映画そのもの、いや、それ以上だ。暮れなずむ夕陽がジャズライブのステージを明るく照らし出し、東京のエンパイア・ステイト・ビル(NTTドコモ代々木ビル)も一層際立って見える。

テーマから逸れないよう、まずニューヨークと名のついたクラシック・カクテルを注文した。メーカーズのマークレッド・トップをライムジュースとザクロのピューレでシェイクしたもので、1,800円だ。甘くて美味しく、ちょうど良い冷え具合だった。ディナーはセットメニューとアラカルトの2種類から選べる。セットメニューは1人11,000円から始まり、アラカルトは1品1,300円~19,000円だ。私たちはアラカルトを選び、ロメイン・レタス、ハーブ、クルトン、レッジャーノチーズ、カリカリベーコンが入ったシーザー・サラダ 2,100円と、ジャーク・スパイス、アボガド、トマトのサルサ味のプライム・ツナステーキ 5,800円、そしてUSDA プライム・リブアイ・ステーキ280g 7,900円を注文した。サイドオーダーはガーリック・チップス添えのマッシュド・ポテト 1,300円とグリーン・アスパラのソテー 1,300円にした。メイン・コースを待つ間、温かくてふわふわのサワードウで作ったパンが供され、おかわりは自由だ。

シーザー・サラダはシャキシャキしており、どの部分を食べても味付けは均一で、それほど酸っぱくない。ツナ・ステーキは注文通りミディアム・ウェルに調理されていたが、もう一度注文するなら次回はミディアム・レアにしようと思う。風味豊かで、新鮮なアスパラガスとの相性は抜群なのだが、冷めてくると固くなり噛むのにちょっと苦労したからだ。そしてプライム・リブは・・・? 冒険したくなかったので、無難に食べ慣れたものを、ということで、USDAプライム・リブアイにしたわけだが・・・ミディアム・ウェルに焼いてもらったリブアイは、味付けも焼き加減も注文通りで、切りやすく、その香りの良さといったら何とも言えない。この夜一番の料理だった。その後バターたっぷりのマッシュドポテトを一口頬張ると、気分は極楽だ。

グランド・フィナーレに、ニューヨーク・グリルのスタッフがバースデー・ケーキを出してくれた。事前に注文しておいたのだが、このストロベリー・ショートケーキの何と美味しいこと! 背の高いガラスのお皿に優美に盛り付けられたそのケーキを見ていると、思わず笑顔になる。特に線香花火のように炎がキラキラ光るキャンドルと、ホワイト・チョコに書かれたバースデー・メッセージには感動した。もっと長居してジャズライブや店の雰囲気を楽しみたかったが、何といっても東京の雑踏の中「ロスト・イン・トランスレーション」(異言語の中で迷子になる)しようと固く決意していたので、その日は早めに切り上げた。

パーク・ハイアット東京のニューヨーク・グリルへは、新宿駅からタクシーで5分だ。もしくは新宿Lタワーからホテルの無料シャトルバスに乗ると良い。このバスは20分間隔で発車している。

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