福井、丸岡城の幽霊伝説

人柱お静の霊がさまよう呪われた城?!

福井県坂井市丸岡町にある丸岡城は、福井県の人気観光スポットの一つだ。どうしてこんなに小さな木の城が観光名所になるのか、と訝る方もいるかもしれない。その理由は簡単で、この丸岡城が日本に現存する最古の木造建築による城だからだ。1576年に建築されたこの城は、1948年の福井大地震で倒壊したが、1955年の再建時、倒壊した城の建材を80%使用したため、現存最古の城と呼ばれている。

しかしながら、初めてこの城について知った時、私の興味を惹き付けたのは、古い城の歴史などではなく、城にまつわる伝説だった: なんと人柱にされた女性の幽霊が出る、というのだ!

私の友人曰く、夜この城を訪れると幽霊に出会うかもしれない。天気の良い日でも、一歩城に近付くや否や辺り全体が白い霧に包まれ、冷気漂い、一寸先は闇となる、等々。友人は私を怖がらせようとして大袈裟に言ったのかもしれないが、彼の作戦は大いに当たり、私は恐がりつつも興味津々になってしまった。

人柱お静の伝説
1576年、丸岡藩藩主が新しい城を築城しようとしたところ、天守石垣が何度積んでも崩れ、築城は一向に進まなかった。現状を打開するため、ある家臣が人柱を立てることを進言した ( 人柱はこの時代、最後の手段として試みられていた )。当時、お静という未亡人が丸岡城下に住んでいた。片目が見えず二人の子を抱えたお静は困窮生活を送っていた。子供の一人を士分に召し抱えてもらうことを条件に、お静は人柱になることを承諾。こうして彼女は自ら進んで天守中柱の土中に生き埋めにされ、城は無事完成した。しかしその後ほどなくして藩主が移封され、お静の子の一人を士分にするという約束は果たされなかった。それから毎年4月になると洪水が起こり、城のお濠の水は氾濫。地元の人々はこの災害を、約束を違えられたお静の怨みであるとし、「お静の涙雨」と呼んで小さな祠を建て、彼女の霊を慰めたという。

このお静伝説と、私の友人が語った幽霊話との間に因果関係があるのかないのか定かではないが、もしこの伝説が本当なら、お静は怒り心頭に達して当然で、一年に一度お濠の水を氾濫させるぐらいの権利は大いにあろうというものだ ( といっても今ではお濠は存在しない )。

丸岡城へ行くにはJR福井駅 ( 40分 ) もしくはJR芦原温泉駅 ( 20分 ) から京福バスに乗車、丸岡バスターミナル下車だ。丸岡城と、隣接する霞ケ城公園は、一年を通じていつ訪れても美しい。特に桜の季節は最高だ! お静伝説に興味を持たれた方は、夜丸岡城を訪れ、肝試ししてみては如何だろうか? ( 私は遠慮しておく ) 冗談はさておき、桜の時期の4月1日から20日は夜間ライトアップが行われ、イルミネーション・イベントには沢山の来場者が訪れるので、何も怖がることはない! ( 多分! )

詳細情報

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Elena Daurtseva 5年前
この伝説を読んだ後、朝でも絶対行きません。

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