「平家物語」に「祇王・祇女」の下りがある。平氏全盛の頃の物語だ。白拍子(しらびょうし)が上手な姉妹、祇王、祇女という姉妹がいた。白拍子とは歌舞の一種で平安時代末期から鎌倉時代にかけて起こったものだ。姉の祇王は平清盛の寵愛を受けていたが、ある日現れた仏御前に一目惚れして心を移した清盛は祇王を顧みなくなる。それに嘆き悲しんだ祇王は妹、母とともに髪を落とし出家して嵯峨野の往生院にこもる。それからしばらくすると仏御前が尋ね来て、我が身の振る舞いによって起こした祇王の不幸を思うと無情を感じ、宮殿を出てきたと祇王たちに告げる。女4人は嵯峨野の地で平安な暮らしを全うしたという。
京都・嵯峨野「祇王寺」~2
悲恋の尼寺

Shozo Fujiiによって
コミュニティライター

本堂。といっても小さな草庵の佇まいだ

邸内は写真撮影が禁止である

まだ秋も浅く紅葉は葉の数枚が少し色づいた程度だった

苔庭の外周を巡って本堂脇に入ってくる

開け放たれた障子戸越しに「吉野窓」が見える。この窓の格子越しに差し込む陽の光が落とす影が虹の色に見えることから、「虹の窓」とも呼ばれている

仏壇には本尊大日如来、平清盛公、祇王、祇女、母刀自、仏御前の木像が安置されている。祇王、祇女の木像は鎌倉時代後期の作

この草庵は明治時代に元京都府知事北垣國造から寄付された別荘の建物である

本堂の前には平清盛が建てた祇王の墓がある

向かって左側の宝筺印塔(ほうきょういんとう)が、祇王、祇女、母刀自の墓。右の五輪塔は平清盛公の供養塔でいずれも鎌倉時代の作だ
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