愛媛に残る伝統工芸「大森和蝋燭」

ゆらぎの炎に心の灯火を映しだす

愛媛県で唯一和蝋燭製作の伝統工芸を守る大森蝋燭屋は、南予地方の喜多郡内子町の所在だ。内子町と云えば江戸時代から大正時代まで櫨 (はぜ) の流通で財を成した商家が建ち並ぶ町。その後、電気や石油に取って変わられるが、当時の繁栄ぶりを伺わせる商家群が随所に残されている。大森蝋燭屋さんもその一つだ。

年季の入った褐色の暖簾をくぐると、予想通りの古民家そのまんまの店舗に入る。女将さんのいらっしゃる机から商品が陳列されている壁の陳列台、さらに奥の御主人の仕事場に至るまで、新品の色の道具は無かったような気がする。もちろん、毎日欠かさずしっかりと手入れがされているのは判る・・・ 木蝋を溶かしたすり鉢状の大鍋から高温の湯がはいっているであろう鍋まで。いつも当たり前の店の風景に思える。これが伝統工芸なのだろう。中でも、芯に何度も何度も繰り返す、木蝋の層を形成する作業は不思議でならない。時間の制約と作業の速度(手の動かし方)木蝋の温度。皮膚の弱い方は櫨に触れるとひとたまりも無い。一気に湿疹が出る。その上高温だ!厳しい環境の伝統工芸に対する姿勢に只々感服するばかり。

行き方

大森屋蝋燭店舗情報をご参照下さい

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