雲龍院の紅葉

活きた絵画、色紙の景色

秋は混雑必至の京都。ところが場所によってはエアポケットのようにぽっかりと空いた、意外なほど閑かな場所がある。そんな別天地のような場所が御寺泉涌寺 (みてら せんにゅうじ) の塔頭雲龍院だ。

前々から気になっていたが中々訪れる機会に恵まれずにいた。目的はもちろん悟り・迷いの窓に加え4つの額縁庭園「色紙の景色」だ。そこに今回ようやく参拝する事が出来た。早速、色紙の景色を観る為に「蓮華の間」へと入るが、参拝客は私一人。完全に貸切状態!なんて贅沢な空間。落ち着いて障子に眼をやる。その雪見障子の扉の中にそれぞれ正方形の透明なガラスが1枚ずづ嵌め込まれている。ガラスの中の庭。椿・灯篭・紅葉・松、それぞれの窓に世界があるのだ。これは庭の見せ方だ。何て粋な魅せ方!小さなガラスの中に無限の広がりがある。あいにく外は薄曇りで光が弱かったが、部屋の中が暗めなので灯りが燈ったように外の庭園が浮き上がる。障子も優しく光っている。それがとても幻想的。襖扉を開け放ち、庭園を眺めながら抹茶で一服。ゆるりと癒されて、忙しい心などすっかり忘れてしまった。

雲龍院は皇室ゆかりの御寺泉涌寺の塔頭。写経の功徳を伝える格式の高い道場を持つ。後水尾天皇が寄進したとされる写経机を使用させて頂き、本堂・龍華殿で朱書きの写経を体験出来る (予約は不要)。今回は時間の都合で体験出来なかったが、次回は是非、体験するつもりだ。

行き方

アクセス

・JR奈良線「東福寺駅」から徒歩20分
・京阪電車「東福寺駅」から徒歩20分
・京都市バス「泉涌寺道」下車徒歩15分

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