鎌倉 山海堂

創業100年の日本刀ショップ

名刀に魅せられた人は、その刀身の美しさを忘れることができないという。あなたも日本刀の美しさを、一度自分の目で確かめてみたいと思ったことはないだろうか。気楽に入れて、しかも日本刀に実際に触れることができる店があったらいいのに。そう思っている方は、鎌倉大仏の門前にある山海堂(さんかいどう)をのぞいてみるといい。創業100年以上のみやげ物屋・山海堂は、みやげ物屋でありながら、実は、知る人ぞ知る日本刀の専門店なのだ。

店の奥には、美しい日本刀がずらりと並ぶ。宮本武蔵が所持していた名刀・上総介兼重(かずさのすけかねしげ)を始め、愛好家には垂涎の的である名刀が、各種取り揃えられている。最近では、日本国内だけではなく、世界各国から山海堂目指してやって来るほどの人気だそうだ。

『刀身部分はイミテーションですが、柄や鍔、鞘などは、すべて本物と同じ材料、同じ手間をかけて作ったものです。』オーナーは、穏やかな笑みを浮かべながら、楽しそうに説明してくれる。彼は本当に日本刀が好きなのだ。私はそれまで一度も日本刀に触れたことがなかったので、それがイミテーションだと聞いても、本物の刀とどこがどう違うのかわからなかった。それに、蛍光灯に照らされてキラリと光る刃の輝きは、怖くなるほど美しく、私には本当の日本刀のようにしか見えなかった。柄を握ると、ずしりと重い。恐る恐る構えてみた。ぴったりと両手のひらになじむ。社長は続けて言った。『店の品揃えは直感で決めるんです。これだ、と思って仕入れると、なぜかすぐに買い手がやってくる。不思議なことに、私とまったく同じテイストのお客さんがいるのですね。』その日も私がオーナーと話している間に、別のカウンターでは、2本の日本刀が売れていった。

山海堂の歴史

山海堂の歴史は古い。オーナーは店の奥から昔の写真を取り出して見せてくれた。『これは関東大震災以前の写真です。たぶん・・・1900(明治33)年頃。』セピア色の写真には、大仏境内で営業していた頃の店の前に、オーナーの家族が並んでいる。『この頃はまだ、うちは骨董屋だったんです。』当時は、主に壷や彫刻を扱っていたそうだ。しかし、1923(大正12)年の大震災で店舗は全壊し、その後、今の大仏門前に移ったという。幸い、以前の店の屋根の部分だけは無事だったため、再建時に利用することができた。その屋根は、今も山海堂の店を守っている。これは現オーナーの2代前の話である。

山海堂では日本刀の他にも様々なみやげ品を扱っている。

根付け

犬や羊、猿、蛇、牛、蟹、蛙など、木彫りの根付け各種

寄木細工

箱根の寄木細工でできたからくり箱(側面の板をスライドさせながら開ける秘密箱)

ハチマキ

日の丸印のハチマキには「一番」「合格」「日本」「必勝」など定番の文字が書いてある

しおり

竹の皮でできたしおりに富士山や舞子さん、龍、虎、大仏、歌舞伎の隈取りなどがプリントされている

日本人形

日本髪を結い、着物を着た人形や、サムライや忍者の人形などがある

鎌倉大仏に参拝したら、『大仏前』バス停の前にある山海堂にも、ぜひ立ち寄ってみていただきたい(店内の様子はこちらの映像でどうぞ)。

0
0
この記事は役に立ちましたか?
JapanTravel.com のサービス向上にご協力ください。
評価する

会話に参加する

Thank you for your support!

Your feedback has been sent.