紅葉と楓の庭

大徳寺塔頭高桐院の紅葉

京都の禅寺(臨済宗)の大本山で屈指の広さを誇る大徳寺。大徳寺と云えば、説話で有名な一休禅師やあの茶聖千利休を思い浮かべてしまう。その大徳寺で常時拝観が出来るのは「龍源院」「大仙院」「高桐院」「瑞峯院」の4つの寺院 (季節や期間によって特別拝観・修繕休館などがあるので事前に確認が必要)。今回はその4つの寺院の中の高桐院を紹介したい。

高桐院を簡単に説明すると、肥後細川家の菩提寺である。細川家はあの戦国時代を生き抜いた名将細川忠興を輩出した名家である。ここは彼がその夫人細川ガラシャと共に埋葬された寺院だ。三斎(忠興)は武人であると共に利休七聖とまで云われた文武兼備の墨人。対する細川ガラシャは数奇な時代の波に翻弄された明智光秀を父に持つ。ガラシャ自身も女性でありながら非業の死を遂げている。

 高桐院、今は激動の時代があったことなど微塵も感じさせない。とても穏やかな空気が流れるだけ。落葉の音さえ聞こえるような静寂に包まれ、私はこの静かな楓の庭に向かって座す。本堂の襖や障子は全て開け放たれている。時の経つのも忘れのんびりと過ごす事が何物にも代え難い楽しみ。時折、下足に履き替えて露地庭に降り、落ちた楓の葉を拾って来る。細川夫妻が緋毛氈の上に置いてくれたような気がするのだ。また今日も墓所に手を合せて帰るとしよう。

行き方

アクセス

JR京都駅より京都市営地下鉄烏丸線に乗車、北大路駅下車。北大路バスターミナル乗り場Gより204(金閣寺、円町行き)、206系統(京都駅行き)に乗車して大徳寺前下車で徒歩5分

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