愛媛県喜多郡内子町大瀬南 喜田村地区… このあたりは 柿・ブドウ・米・栗・梅などを栽培している地域で、標高300Mほどの山に家々が点在する。自動車用の道路が完成する前からの道も、「道路開通の記念碑」のすぐそばに残っていることが多い。昔の道は、畑・棚田を「牛・馬と一緒に」行き来できるようになっていた。牛・馬が自動車に変わったが、その暮らしぶりは今でも変わらず残っているので、「石垣」「石碑」「樹木」は数百年前のものに出会うこともある。
木・竹は貴重な資源
冬が平地よりも寒い山間部では、木材資源を活用できるテクニックが必要で、夏は「草刈り」冬の準備の「薪作り」が必須。男性は力が強いほうが仕事の量が多いので、力自慢は一族の繁栄を意味していた。「重たい石」を運ぶ神事、「相撲大会」などは、その名残りとして町にはいくつか残っている。
竹林の利用
畑で野菜を支える支柱や庭の生垣、台所ではザルやこし器に加工して使う。防腐作用がある竹は山へ作業しに行く時の米の握り飯を入れる弁当入れにもなる。切ったばかりの竹は緑色だが、乾燥すると黄土色に変わる。緑が鮮やかなので、夏は箸に加工してそうめん・うどんなどを食べたりする。キャンプで竹に米を詰めてご飯を炊くこともできる。春から初夏には孟宗竹・真竹・ハチクなどが「竹の子」として食べられる。写真は孟宗竹。
庭の楽しみ
山暮らしで楽しいことは、自分の時間を主体的にコントロールできる『自分の楽園』を作れることかもしれない。四季を通じて渡り鳥が多く目に付く。「野鳥図鑑」を持っているとより楽しさが増す。大型の動物ではイノシシがいる。人の家周辺までやってくるのは、ハクビシン・狸、アナグマなども。畑や庭の土を掘りまくるのはイノシシで、ミント、彼岸花以外ほとんどが根を切られてしまう。写真の花は「ホトトギス」…同じ名前の鳥の柄模様と似ているので名前がついている。
過疎化をどう考えるか
あちこちで小学校が廃校になる一方、子供が減っている地域にわざわざ引っ越す人もいる。ちょうど我が家のように。鳥・星・虫・動物の観察が好きで、スケッチを楽しんだり、珍しい場面の写真を撮ったり、植物を育てる面白さも味わえる。料理やお菓子つくりが好きなら、もっと楽しい。