盛岡さんさ踊り

太鼓と踊りの行列は世界一の規模

場所: Chuodoori street 日付: 2024年8月上旬
注意: このイベントの日付はまだ確定していません。このページは、イベント主催者による公式日付発表後に更新されます。最新情報については公式イベントのホームページで確認してください。

今日は8月1日。あと数分で夕方六時になる、岩手県の中心盛岡市。あと30分程で日も傾く時刻とはいえ、冷たい飲み物が手放せないほど暑さは衰えない。中央通りで待ちかねている見物客は落ち着かない様子で行き来し、オフィスビルの窓からはまだ職場にいる人達が身を乗り出して通りを見下ろしている。テレビ局のスタッフは、今始まろうとするその瞬間のベストショットを狙って、陣取ったクレーンの上で待機している。
ついに低く響く太鼓の音と共にその時が来た。太鼓の音はいよいよ大きくなるばかり。数百、いや数千の太鼓の打ち手、そして数千の踊り手による、4日間(8月1日~4日)に渡る「盛岡さんさ踊り」の幕開けだ。

盛岡さんさ踊りが東北地方の五大祭の一つである根拠は、誰にも一目瞭然だろう。メインイベントは、総勢3000名以上からなる太鼓のパレード。これは地元盛岡の学校・職場・組織等から参加した有志の20以上の団体で構成されている。祭での太鼓の行列人数の多さは世界一だという。所々山車や次の演目を書いた垂れ幕をはさんだだけで、行列はひたすら演奏をしつつ進んでいく。大方のグループは、それぞれ揃いの伝統的な装束だが、中にはアニメやテレビゲームのキャラクターを思わせる、ダルメシアン等様々な出で立ちもあった。
こうしたパレードの合間には、見物客が見るだけでなく参加できる時間もあるのだ。時には山車の上で手本が披露され、通りに出て観客も踊るよう促す事もあった。そしてパレードの後には誰もが参加できる大きな踊りの輪ができ上がるのも、この祭りの伝統だ。この四日の間は、盛岡駅前や公民館などで特別な舞台披露や、踊りの講習、祭に関連したイベントが続くのである。日本語と英語両方のイベントスケジュール表が用意されている。

さんさ踊りは、祭という形での歴史は数十年なのだが、その芸能の発祥は盛岡の歴史と深い関わりがあるとされている。数百年前、人々は悪鬼の悪行に苦しめられていた。そこで地元三ッ石神社の神に助けを求めると、その鬼を退治してくれた。民は喜び、音楽と踊りで祝ったのがさんさ踊りの由来であり、南部藩で大切に受け継がれて来たのだ。さんさ踊りの複雑でありながらダイナミックな動きは目も耳も楽しませてくれ、この期間中興奮に包まれた町で観光客はあれもこれもと忙しく渡り歩くことになるだろう。この踊りは、芸能として盛岡の無形文化財になっている。

旅行の目的としても十分楽しめる、盛岡さんさ踊りはぜひお勧めしたい。

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