梅宮大社の創建はいつだったか、はっきりとは分かっていない。神社によると、約1300年前に橘氏によって建てられたそうだ。現在の場所に移ったのは平安時代の初めごろだという。本殿には酒造の神様、酒解神(オオヤマツミノカミ)が祀られている。さらに大若子神(ニニギノミコト)、小若子神(ヒコホホデミノミコト)、酒解子神(コノハナノサクヤヒメノミコト)も一緒に祀られている。
社務所で拝観料600円を払うと、神社をぐるりと囲む神園を拝観できる。神社の東側にある扉を開けると、池が見える。さらに梅やつつじのエリアが広がる。ちょうど梅の花が咲いていた時に行ったので、庭園が赤や白に彩られ、きれいだった。うぐいすなどの鳥もやってくるし、あまり人がいないので、写真を撮る人にとっては穴場スポットかもしれない。そして本殿の北側へ進むと、勾玉の形をした池があり、花菖蒲や桜の木などが植えられている。本殿の西側には、あじさいや椿・梅・水仙などが植えられている。こうしてみると一年を通じて花が咲いているので、季節を変えて訪れるのも楽しそうだ。さらに境内には多くの猫がいるので、彼らに癒されることもできる。
百人一首には、「夕されば門田の稲葉おとづれて芦のまろ屋に秋風ぞ吹く」という歌がある。この「門」や「芦のまろや」にあたるのは、ここ梅宮大社の近くにあった源師賢の別荘なのだ。梅宮大社の紅葉を眺めながら、秋風にそよぐ紅葉の葉音を聞くのも心地よいかもしれない。