日本文化で世界的に有名なものは様々あるが、その一つが日本にあるいろんな種類の面白い宿泊施設だ。伝統的旅館、スペースエイジ(宇宙時代)を連想するカプセルホテル、そしてもちろん、ラブホテルだ。
実はこのラブホテル、日本に来る観光客の間では「お試し」リストの上位にランクインしている。しかし実際試してみるのはそれほど容易ではない。
ラブホテルは大都市から小さい村に至るまで、日本中津々浦々どこにでもあり、通常その奇抜な外観と不可解な名前でラブホテルだと見分けが付く。
東京で最もラブホテルが集中しているのは渋谷の「ラブホテル坂」だ(正式名は道玄坂)。
ラブホテル坂でホテルを見つけるなんて複雑だし、第一安っぽい、と思うかもしれない。しかし実はそれほど難解でもないのだ。
まず第一に必要なのは「ラブホテル仲間」だ。これは旅の道連れでも良いし、ボーイフレンドやガールフレンド、もしくはクラブで出会ったばかりの魅力的な紳士/淑女でもよい。
ここで注意しなければならないのは、同性同士のカップルはお断り、というホテルもあることだ。外国人の2人連れでも断られる場合がある。しかしこれは表立って書いてあるわけではないので、入室を断られる場合もある、という事を念頭に入れておこう。
第二はラブホテル選びだ。渋谷109ビルの裏手にあるラブホテル坂に向かい、まずはうろついてみよう。何といっても楽しみの半分はホテル選びにある。坂を進めば進むほどホテルの値段は安くなるので、何軒か試してみるのも良いだろう(急ぎの場合は別だ)。
いろんな選択肢があって分かりづらいかもしれない。しかし基本的な選択肢は2つしかない: 「休憩」もしくは「宿泊」だ。
「休憩」とは、通常1時間~4時間程度部屋が使用できるという意味で、1時間の価格は大体1,500円以上だ。明らかに特定の時間帯や曜日は高額になる。金曜や土曜の夜、祝日の前日などだ。
「宿泊」とは1泊するという意味で、通常チェックインタイムは夜の20時~23時、チェックアウトは翌日の午前11時~午後1時だ。6,500円という破格値で泊まれるところもあるが、質の良いホテルや豪華なテーマホテルは1泊20,000円もするところがある! 念のためもう一度繰り返すが、土曜の夜は恐ろしく高くなるので価格は確かめてから入ろう。
殆どの場合、各部屋の内容は入口ドアのスクリーンに掲示されており、空室は点灯している。自分の好きな部屋のボタンを押し、受付のスタッフ(客のプライバシー保護のためカーテンで仕切られている場合もある)に代金を払い、鍵を受け取ればよい。
ラブホテル仲間を選び部屋も決めたら、あとは中に入り、ううん・・・スクラブルでもして遊べばよい、もしくは何でも好きな事をすればいいだろう。
通常部屋には標準アメニティグッズは付いていて、テレビ、ラジオ、ミニ冷蔵庫、コーヒーも完備だ。運が良ければカラオケまで装備している部屋もある。
豪華な部屋の中にはジャグジーバスやマッサージチェアが付いている場合もあり、コスチュームレンタルまで出来るホテルもある。しかしこれは「ラブホテル仲間」を喜ばせるために大枚をはたく心構えがあっての話だ。
怪しげな評判とは裏腹に、これらのホテルは大概清潔で防音も完璧、そして自然光は殆ど射し込まないので良く眠ることが出来る。標準的「普通」のホテルの価格と比較すれば、短期滞在には非常に優れた選択肢の一つだ。
宿泊する場合、殆どのホテルがチェックアウトの30分前に電話をかけてくれる。シャワーを浴び、着替える時間を確保するため注意を促してくれるのだ。あとは鍵をフロントデスクに返し、厳しい批判的な朝の陽射しの中へ意を決して飛び出すだけだ。