京都 圓徳院

北政所・ねねの住居、近松門左衛門の仮寓

一日中人の波が絶えることのない京都の人気観光スポット・東山地区にありながら、圓徳院(えんとくいん)は、喧噪から離れた憩いの場所である。豊臣秀吉の正室・ねね(1547?-1624)は、ここで晩年の19年間を過ごした。そして秀吉亡き後も、皇室や徳川方、イエズス会の宣教師たちとの良好な関係を築き、穏やかな生活を送ったと言われる。ルイス・フロイスは『日本史』の中でねねを評して、「大変な人格者」と書いている。なお、巨石の石組が庭一面に広がる北庭は、圓徳院の最奥にある。目に見える部分でさえ、普通の庭石に比べてかなり大きいが、実は石の大部分は地中深くに埋められている。つまりこの庭は、「見えないものを見るための庭」なのかもしれない。圓徳院は、浄瑠璃・歌舞伎作家・近松門左衛門(1653-1725)が、後に京都の住まいとした所でもある。

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