京都 平等院鳳凰堂

樹齢280年の美しい「藤棚」

京都府宇治市にある平等院鳳凰堂は、1994年に「古都京都の文化財」として世界文化遺産に登録されました。この文化遺産は、平等院を含め、京都市の二条城や鹿苑寺など全17遺産で構成されています。

かつて平等院は菅原道長公の別荘であり「宇治殿」と呼ばれていましたが、道長公の死後、息子の頼道公が平等院を寺院に改築したことが、平等院の始まりと伝えられています。当時は浄土信仰が流行り始めた時期で、平等院は浄土を思わせる寺院として長い間多くの人々から親しまれてきました。

平等院鳳凰堂は、5000円札にも描かれている想像上の鳥の鳳凰が羽を広げた時の様子に似ていることから名付けられました。鳳凰堂は江戸時代に名付けられた名前で、それ以前は阿弥陀堂と呼ばれていました。平等院正面から見て中央の建物が鳳凰堂です。人数制限がありますが堂内も見学出来ます。屋根には金色の鳳凰がありますので、訪れた際は忘れずに屋根までじっくりと見てみましょう。

また、平等院の敷地内には樹齢280年と伝わる立派な「藤棚」があります。藤の木から1m以上も垂れ下がる花穂が地面に擦れそうなほど長いことから、別名「砂ずりの藤」とも言われています。薄紫と白の藤の花が平等院や池に映えて、春らしい景色を垣間見ることが出来ます。藤棚は観音堂の横にあるので、平等院の周りを歩いていればすぐに見つけられます。

藤棚は、毎年4月下旬~5月上旬ごろに見頃を迎えます。 古くから日本と関わりのある藤の花は、古典や絵画などにも度々登場します。万葉集にも「藤波の 咲き行く見れば ホトトギス 鳴くべきときに 近づきにけれ」という、庭に植えた藤の花を歌にした和歌があります。花言葉では「優しさ」という意味があり、女性を連想させる花としても有名です。

最寄り駅は宇治駅で、平等院には駅から徒歩10分程で到着します。宇治駅には京阪宇治線とJR奈良線(みやこ路快速)が通っており、京都や奈良市内からのアクセスも便利です。有名な宇治抹茶の産地だけあり、平等院へ続く道には抹茶のお店がたくさん立ち並んでいます。また、橋から眺める宇治川の景色も素敵です。

10円玉の絵柄としても有名な平等院ですが、実際に訪れるとその威厳に圧倒されます。春には綺麗な藤棚も見られるので、ぜひ一度足を運んでみることをおすすめします。

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