山本駅 佐賀

すてきで古い木造駅

山本駅は佐賀県にある電車の駅で、JR九州が管理している。3本の線路と2つのホーム(単式ホーム1線、島式ホーム1線)のある地上駅で、ホーム間は歩道橋でつながっている。私の注意を引いたのは、この駅が、1台の券売機だけ置かれた無人駅という点だ。

この古い木造駅舎は1896年に開業した。つまり100年以上も利用されている。私がこの美しい駅を見つけたのは、伊万里から佐賀へ向け、普通列車で旅しているときだった。乗り換えのため、この駅で一度降りることになったので、私はしばらくのあいだ駅構内にいた。佐賀行きの次の電車に乗るまでの間、少なくとも40分はいた。だが、言っておかなければいけないのは、私はそこで過ごした時間を存分に楽しんだということだ。こうした古い駅には何か特別なものがある。そこにいると、時間を遡っている感覚になるのだ。

ほとんどの電車の駅でしてはならないのは、線路を横切ることだ。しかしこの駅では、ホーム間をつなぐ歩道橋を使って線路を横切らなければならない。線路の真ん中にいるというのは、刺激的な体験だ。

こういった地方の駅は、通常、電車を待って過ごさなければならない静かな場所だ。でも、もし急ぎの用がなければ、こうした場所は素晴らしい空間なのだ。いつでも、地元の人たちと話したり新しく人と出会えたりする時間がある。出会った人たちと仲良くなってみたらどうだろう?これらの駅構内は、あまり緊張せずリラックスできる雰囲気で、頭の中を整理したり、自分の旅について思いめぐらせたりする時間を持てる。コンスタンディノス・カヴァフィスが『イサカ』の詩中で書いたように、大事なのは旅路であって、目的地ではない。到達すること自体が重要とは限らない。経験しながら到達することが大事なのだ。旅で何を学ぶか、自分自身や他の人たち、訪ねた場所、遭遇する恐ろしいことなどについてどんな発見があるか、そういったことが重要だ。

各駅停車での旅を好まない人もいる。けれども私は大好きだ。それを通して得られる経験や、そこからどれだけのことを学べるか、といったことを私は大切にしている。


 

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