空に向かって伸びる大きな木。浮世絵の「見返り美人図」をタワーの立ち姿として参考にしており、少し離れた場所からの鑑賞にも適しています。東京スカイツリーの真下から仰ぎ見ようとすると、案の定ひっくり返りそうになってしまいます。
「天望シャトル」という国内最速のエレベーターは、春夏秋冬それぞれのイメージで4基あります。扉が開いた瞬間に感慨の声を上げるような美しい装飾が施されており、上りの天望シャトルは「夏・隅田川の空」。色とりどりの江戸切子というガラス工芸が、花火が彩る夏の空のように輝いています。うっとりと眺めているうちに耳の閉塞感に襲われて、空高く上っているのだなと実感します。地上から350mの展望台までを約50秒で結ぶこの体感は、科学技術の進歩を間近に感じられるものとなっています。
「天望デッキ」は、地上350mの高さにあります。エレベーターを降りると、5m超の大きなガラスの向こうに広がる天空が目に飛び込んできます。約70km先までのパノラマになっており、その未体験な高さに圧倒され、呆然と立ち尽くしてしまいます。
更に上の「天望回廊」は、地上450mの高さにあります。ガラス張りの回廊は空中に浮かんでいるような感覚で、タワーで最も高いフロア450へに登って行きます。451.2mの最高到達点にある「ソラカラポイント」は、光と合わせ鏡による不思議な演出空間となっています。
天空の散歩を満喫し、この上ない開放感と眺望の余韻に浸りながら下りのエレベーターに乗り込むと、「秋・鳳凰」が待っていました。秋祭りの御神輿の鳳凰は、重厚で優雅。東京スカイツリーは、最先端でありながらも日本の美と伝統など様々な楽しみ方を私達に提供しています。