江戸東京博物館は、江戸時代から現在までの東京の歴史を興味深く学ぶことができる、さながら異空間のような博物館です。
私は東京に暮らしていながら、正直東京の歴史をあまり知らなかったのですが、以前ここを訪れた友人たちの勧めもあり、近くに行ったついでに見学してみることにしました。
場所は、相撲の殿堂、両国国技館と同じ両国駅にあります。両国は元力士が経営するちゃんこ鍋店が多くあり、近くで食事をしてから博物館に行くのもいいかもしれません。また、古くから続く老舗のお店などもあるため、買い物しがてら散歩も楽しめる場所です。
江戸東京博物館は、先ずその外観に驚かされます。宇宙戦艦をイメージしたような外観で、最初にそれをバックに写真撮影している人をたくさん見かけます。
入口のエスカレーターは、これから異空間へワープするような気分にさせてくれます。
館内は階やフロアにより、「江戸ゾーン」「東京ゾーン」などいろいろなカテゴリーに分けられており、内容もボリューム豊かになっています。
江戸幕府を創設した徳川家康の歴史に始まり、当時の江戸の町並みを再現した模型や浮世絵、絵巻などから、当時の庶民の暮らしを想像したり、大名屋敷などを見て侍の暮らしぶりや文化を学ぶことができます。
この江戸の町並みを再現した模型の完成度が高く、細かなところにこだわりが感じられ、しばらく見ていても飽きません。
現代のコーナーでは、昭和初期の電話、洗濯機、自動車などといった非常にレトロな家電製品の歴史を見ることもできます。
これまでにテレビなどでは見たことがありましたが、実際に昭和初期に使用されていた家電製品を目にしたのは初めてで、現在使用している最新の製品と比較して考えると、その技術進歩の速さに驚かされます。
映像ライブラリーでは昭和の戦時下での暮らしや、東京が空襲などでいかに被害を蒙ったのか、敗戦後の暮らしなど、現代の平和を実感させられる映像も見ることができます。
東京大空襲の映像などは時にとても残酷なシーンもあるのですが、かつて実際にこのようなことがあったのかと思うと同時に、戦争という大きな悲劇を乗り越え、現在の平和な時代を築き上げてきた方々に心から尊敬と感謝の念を抱きました。
非常に内容が豊富な博物館のため、私はほぼ一日がかりで回りました。
「東京」という世界的にも知られた都市の違った一面を知ることができ、子供から年配の方まで楽しめる、優れた博物館だと思います。