目黒雅叙園は、1931(昭和6)年に設立された高級料亭で、後に別館、宴会場、宿泊施設や結婚式場などの附属施設が増設されました。中でも特筆すべきは、日本で最初の結婚式場であることでしょう。残念ながら当時の建物は、『百段階段』と7つの宴会場を除いて残っていません。なお、贅を尽くしたお座敷と『百段階段』は、日時を限って一般公開されています(ただし、文化財保護のため写真撮影は不可)。
現在の建物は、和の香りを漂わせるモダンなデザインで、季節の花や木彫のパネルなどで飾られています。中でも目を引くのは、長い廊下に飾ってある色彩豊かな木彫のパネルです。壁一面には、春夏秋冬の女性の姿が描かれており、それぞれに江戸時代の風俗を見ることができます。