夜横浜ベイブリッジをドライブし、ライトに浮かびあがる工場群や、もくもくと立ち昇る煙を見上げたことはあるだろうか? 神秘的な運河を巡りながら工場夜景を堪能できるナイトクルーズの存在をあなたはご存知? 工場夜景クルーズは、キャンドルライトの下で贅沢な夜を過ごす典型的なロマンティックツアーではなく、夜勤族たちがこんな夜中に一体何をしているのか覗いてみる一種の冒険だ。京浜工業地帯を巡る90分のツアーは日本旅行の風変わりな手土産になるだろう。特に写真愛好家やスリルが大好きな人達にとっては絶好のツアーだ。
ウェブサイト上の最新ニュース(日本語)によると、週末分のチケットは即完売で現在クリスマス終了まで満席のようだ。日本語ページが読めない人は、ジャパニカン・ツアーズを利用すれば英語表記の情報が得られ予約も出来る。日本での滞在期間が短い場合は、直近で2013年11月3日(日)分の席に若干空きがあるようだ。
今までいろんなクルーズを体験したが、乗船前に救命胴衣着用を義務付けられたのは初めてだった。もちろん緊張しましたよ! とはいえチャレンジ好きの私は、恐いもの知らずの他の客たちに続き乗船した。クルーズ船の定員は50人程度で、屋内もしくは屋外の席が選べる。冒険心旺盛の私たちは船尾側に乗った。寒い秋の夜にビーニー帽(ツバなし帽子)や手袋、ウールのコートが役立った。ちなみに頼めば毛布も借りられる。
仕事で2~3の生産工場で働いた経験がある私には、工業地帯の景色や技術力のスケールの大きさがとても興味深く思え、感銘を受けた。特に見事な横浜ベイブリッジに差し掛かった時には感動した。この角度から眺める橋はなんと美しく、巨大なことか! 乗客はすぐさま興奮し始め、この夜で最高の写真を撮るべく、アングルの良い場所を探し回っていた。その後、月明かりの下、製油所や石油輸送船の眺め、高い技術力を持つクレーン操縦者が巨大な輸送用コンテナを操る様子、巧妙に入り組んだイルミネーション等を堪能しながらクルーズを楽しんだ。ある時船長がクルーズ船を停止したので、乗客は船首に集まり神秘的な夜景に見惚れた。足の置場もなく小さなレールにしがみつくしかない状況だったので、救命胴衣を着ていて良かった! と、この瞬間感謝したことは言うまでもない。
小さな船で揺られるのが平気で、ディスカバリー・チャネルの「これは如何にして作られたか」的な番組を見るのが好きな人には打ってつけのクルーズだ。美しい緑に囲まれた寺や神社をいやというほど見た後には、こんな風変わりなツアーも良いかもしれない。料金は大人4,500円、これには甘いカクテル代が含まれる。来年のハロウィーン集合場所に最適かも!?