逗子 神武寺

岩山の奥に佇む古寺

神武寺はかつて、背後にある標高139mの鷹取山を御神体とする山岳修行の拠点であった。初期の建築物は残っていないが、724(神亀元)年、聖武天皇の勅願により、行基が創建したと伝えられている。鎌倉時代の公文書『吾妻鏡』には、1209(承元3)年5月15日の条に、源実朝が神武寺と岩殿寺に参詣したと記されいる。また昭和天皇は、葉山御用邸に来訪されると、しばしば神武寺に参拝していたという。四脚門、切妻造りの惣門に菊の御紋が見えるのも、天皇家との所縁がある印であろうか。切立つ岩山の奥にひっそりと佇む神武寺には、今なお神気が漂っているように感じられる。JR東逗子駅から徒歩20分。

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