ここは比較的新しい博物館です。しかしオープン前から話題になっており、とても有名になっていました。私もずっと訪れたかったのですが、混雑を避けるために落ち着いてからにしようと考えていたのです。オープンから数か月後、ようやく平日に訪れる機会がありました。やっと、ゆっくり、そして静かに観覧できるだろうと。しかし私の期待は見事に裏切られました。
入口には長い列!それが横浜の原鉄道模型博物館なのです。でもここを訪れたら、どうしてそんなに多くの人々を惹きつけているのかお分かりになるでしょう。
この博物館はあらゆる年代に、特に男の子たちにとって夢のような場所です。あなたも一歩中に足を踏み入れれば、世界中の多くの鉄道模型を見て驚くこと間違いないでしょう。それらはおもちゃ箱の中の宝の山のようだからです。そしてこれらの鉄道模型の多くが一人の人物によって作られたと知れば、どうでしょう?その人の名は原信太郎(はら のぶたろう)。そうなのです、この博物館所蔵品は彼のコレクションなのです。
彼は幼いころから鉄道にとても惹かれ、自身で模型を作り始めました。ここのコレクションは鉄道模型だけでなく鉄道写真、切符、そして鉄道に関するあらゆる品々も展示されています。そして同時に原信太郎氏や鉄道についてのユニークな逸話もあちこちで知ることができるのです。たとえば、信太郎少年が当時の総理大臣の1か月分の給料に相当する鉄道模型を祖母にねだって買ってもらったこと、鉄道技術についての知識を学ぶためにフランス語やドイツ語も習得したこと。信太郎氏は鉄道模型を製作しただけでなく、線路を走る音までの模倣して製作したこと。彼は切符収集家でもあり、一番切符を収集するために新駅で先頭に並んだことなどです。あるとき、彼は出張があったため、こうした一番切符を購入することができないためにがっかりしていると、それを察した奥様が信太郎氏のために何日も並んで一番切符を手にしたという、とても愛らしい逸話もありました。すばらしい鉄道模型やそのほか関連した品々だけでなく、こうした面白い逸話にも興味を持つことができると思います。そして原信太郎氏という方は普通では考えられないようなすごい人物だと気がつくでしょう。
一番皆さんの興味を引く場所は博物館奥の「いちばんテツモパーク」ではないでしょうか。ここでは実際にフランスのリヨン駅を模したヨーロッパの景観の巨大なジオラマの上をいくつかの鉄道模型が走っている様子を見ることができるのです。その様子はとても壮大で子どもだけでなく、大人もそこをなかなか離れられないくらいです。また天井のライトが昼間から夜に変わっていき、ジオラマはとても素敵な雰囲気になっているのです。女性もこれら照明が奏でる景観に魅了されるでしょう。
私は鉄道ファンではありません。しかしこの博物館にとても魅力を感じました。それは数々の素晴らしい鉄道模型のコレクションを見るだけでなく、一人の人物の好奇心と夢が鉄道模型博物館として蘇ったことに感銘を受けたからです。原信太郎氏は人生すべてを捧げられるものを見つけて本当に幸せな人だと思います。このような生き方をできる人はなかなかいないでしょう。この原鉄道模型博物館は人間の類まれな好奇心のたまものなのです。