「福岡で最高のビーチはどこ?」、と福岡人に尋ねると、間違いなく新宮ビーチの名が挙がる。人口も多くアクセス至便でありながら、高層タワーやスタジアムに囲まれ、ショッピングモールやレストランがひしめく百道浜 (ももちはま) に比べると、未だ手付かずで未開発の新宮ビーチは魅力にあふれている。延々と続く広い砂浜の周囲には自然がいっぱいだ。海岸上には広い駐車場もあり、最寄駅も近い。そして何より素敵な海の家、新宮屋がある。
他でよく見られる狭い海岸と違って、数キロメートルも延々と続く新宮海岸の砂浜は、海の家から波打ち際までなんと50メートルもある。海岸にはちらほらゴミが落ちていたりもするが、砂浜のほとんどの部分は平坦で、ボールを使用したスポーツも楽しむことが出来る。住宅街近くの海岸では禁止されることの多いテントの使用やバーベキュー等も自由だ。しかし何といってもこのビーチの良さは、その壮大さだ。この広い解放感あるビーチにいるだけで、生き返った気分になれる。
新宮海岸と近隣住宅街は海岸沿いに続く松林で隔てられている (日本語の海岸地図)。また、地図を見れば分かるように、弧を描くように緩やかにカーブする海岸線がなんとも美しい。日本海の玄界灘に浮かぶ小島の数々も見逃せない。海に向かって立つと、相島 (あいのしま) が目前に見え、右手には大島が遠くの方に浮かんでいる。運が良ければ左手の小呂島(おろのしま)や、相島右手はるか彼方に浮かぶ沖ノ島も見えるかもしれない。海に浮かんだ緑の小島たちが海岸の自然美を一層引き立てている。
海岸を選ぶ時、交通の便は重要なファクターだが、このビーチへのアクセスは抜群だ。市営地下鉄に乗るだけで良い。居並ぶ店舗やレストランなど何もないこのビーチでは、自然の中で通常の混雑した海岸では得られない静かな時を満喫することができる。飲み物や食べ物が無くなれば、親切な他のビーチ客が助けてくれるかもしれない。助けてくれなくても心配御無用、ここには海の家「新宮屋」がある。
公衆トイレは西鉄新宮駅からビーチに続く道沿いにある。この道を海に向かって歩き松林を抜けると、そこがもう新宮屋と駐車場だ。駅から海岸までは歩いてたった5分の道のりだ。駐車料金は1日500円だが、夏場ピーク時の日中は満車になる場合が多い。公共シャワーはないが、新宮屋では低料金で更衣室と温かいシャワーを提供してくれる。食事やドリンクが楽しめる他、浮き輪や他のビーチ用品もレンタルできる。夏場は海岸にライフガードも常駐している。
新宮海岸—shinguu kaigan—Shingu Beach