「ベジフルツアー in 福井」

野菜ソムリエが開催する福井地野菜果を楽しむ宿泊旅行

Shozo Fujii   2017/10/29によって

旅の楽しみの一つはその土地ならではの美味を堪能することだ。冷蔵冷凍輸送技術が発達している今日、日本中どこに行っても同じ食材が手に入るから、いわゆる「食の地方色」というのは本当に希薄になってきた。しかし、それでも「地野菜」に代表される地物を守っている生産者が全国津々浦々に健在なことは、食のナビゲーターを自任する筆者にとっては嬉しい限りである。

さて、福井に旅靴を向ける旅人にぜひお勧めしたい「福井の地物」を味わえるトピックがある。「ベジフルツアー in 福井」と名付けられたこのイベントは、福井の地野菜を中心に福井産の果物や地魚を含めそれらを「見る、知る、食べる」と3点まるまる満喫できる1泊2日の旅行なのだ。

それを企画運営しているのが「野菜ソムリエコミュニティ福井」というグループであるが、それは土橋登喜雄さんが、後述する竹下さんと共に発案した。さらに実現に向けて飛田さんがプロジェクトに加わったという経緯である。

野菜ソムリエ協会は札幌、仙台、東京など全国ブロック毎に「支社」を置いている。福井では「名古屋支店」の管轄になる「「野菜ソムリエコミュニティ福井」という任意団体がある。野菜ソムリエの活動をすすめる福井県在住の有資格者の任意の集まりだ。代表は飛田友香さんで、土橋さんはその副代表である。

土橋さんは元JA職員で、長く福井の農業支援に関わってきた。2014年、農協の大先輩の竹下さんという方が、九州のツアーに行かないかと誘ってきた。聞けば熊本を2泊3日で回る農業を深く見聞できる内容だという。「これは面白いかも知れない」と即決、私費で参加した。

このツアーは、熊本の野菜ソムリエの他多くのスタッフが入念に準備していたのがよくわかり充実感があった。もとより、熊本は全国屈指の農業県である。福井は農業県という意味では未だ発展途上だ。しかし福井にも良い野菜果物がある。なのに、福井といえば越前ガニというくらい蟹は有名だが、地野菜の知名度は今一つである。

「福井の食文化をもっと知ってほしい」、と土橋さんは考えた。1泊2日なら一般の人も参加しやすいのではないか。福井には24種類の伝統野菜がある。京都・賀茂ナスのルーツと言われている吉川茄子は鯖江で生産されている。しかし生産者の多くは高齢で後継者問題がこれら伝統野菜には常に付いて回っている。なぜなら伝統野菜の宿命だが、栽培者は自ら野菜から種子を取りそれを翌年の栽培に回し生産をし続けるという作業をやっていかなければならないのだ。また、その野菜は市場で購入してもらわなければならない。そのためには伝統野菜だからといって一般の人たちが食べづらい味では売れない。ぎりぎりのところで品種改良もしながら栽培を続けていくのである。24種類の内いくつかは絶滅危惧種だそうだ。

「あわらのスイカやメロンは美味しく京阪神に出荷されているにもかかわらず全国的な知名度が低い。これらの福井地野菜にもっと日を当て、生産者が経済の潤いをもって栽培できる環境にするには、これを単なる農産物に留め置かず観光資源にまで発展していくことが必要なのではないか。」と語る土橋さんの思いは熱い。

こうして始まった「ベジフルツアー in 福井」は年に1回開催されている。ツアーでは生産者を直接訪ね生産を巡る話を聞く。あちこちの畑を巡り訪れそこになっている野菜を試食したりもする。農業の苦労や地域の食文化も体験できる。こうなると単なるグルメ旅行の枠をはるかに超えている実に豪華な旅行なのだ。今まで「奥越」「坂井」「丹南」と開催してきたこのツアーは来年2018年、御食国「若狭」そして再来年2019年は県都「福井」と締めくくりたい。

たとえば今年2017年7月15日~16日に開催された「ベジフルツアーin福井」第三弾では、福井地野菜「吉川ナス」、越前しいたけの栽培林、まこもだけ、越前打刃物、有機栽培の大豆にこだわったマルカワ味噌の見学に加え、昭和天皇料理番を務めた谷部金次郎氏の講演も。谷部氏は、武生市出身で本やドラマになった「天皇の料理番 秋山徳蔵」で高名な秋山氏の元で天皇料理番を務めた。宿は渓流温泉の宿と、福井の魅力満載である。

ツアーの今後の予定や詳細は「野菜ソムリエコミュニティ福井」(0778-53-2024 メールアドレス:vsc291@gmail.com 、 Facebookページ:https://www.facebook.com/ysc.fukui/ )または土橋さん( 090-3767-4657 )に直接問い合わせると良い。

Shozo Fujiiさんによって書かれました。
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