福井・三国「ラーバンの森・おけら牧場」

自然農法体験型農場

Shozo Fujii   2013/10/28によって

とてもユニークなご夫婦がいる。

山崎一之さん(65歳)、洋子さん(64歳)。

福井県は三国・陣ヶ岡でとてもユニークな農場を経営している。

その名は「ラーバンの森」。

通称「おけら牧場」。

「ラーバン」とは?

山崎一之さんいわく、

「Rurban(ラーバン)は、Rural(ルーラル:田園・田舎)/Urban(アーバン:都会)の造語です。自然の暮らしの大切さをわかってもらい、都市と農村の本来のあり方を願いラーバンの森と名付けました。」

「若い頃、お金が全然なくてね。苦労したよ。だから、オケラ。」と屈託無く笑う。

 肉牛(和牛)を20頭、乳牛としてジャージー種を4頭、ろば(三国の神社の神主さんからの預かり)を1頭、鶏を300羽、番犬を3頭。

ぶな林にはしいたけ栽培、そして有機栽培水田。

動物病院1棟。

以上が「おけら牧場」の全容である。

この牧場の家畜は徹底した自然飼いである。

乳牛、肉牛とも、交互に牧草地に連れ出され草を食む。

抗生物質をえさに混ぜるとか、成長促進剤注射などもってのほかである。

鶏も鶏舎の中で平飼いだ。雄鶏1羽に対して雌鳥が数十羽のハーレムを作る。

そのハーレムがいくつものグループを作っている。ここで採れる鶏卵は有精卵。濃厚でとても美味しい。

お二人とも福井は郷里ではない。早稲田大学卒業後、福井に住みついて、何と一番大変な農業をゼロから始められた。

人間が自然と向き合い、自然を受け止め、自らも自然に生きる。農業も自然に。

畑の土を荒らし生態系を傷つける農薬、化学肥料を極力排する。牛や鶏の飼育も昔ながらの自然体。そんな彼らの生き方が周囲の心ない人たちに「物好き」「変人」と言われたそうだが、時代がやっと彼らに追いついてきたのだ。

一之さんは三国再生の旗頭として、また自然農法にこだわっての農作物生産者のリーダーとして、若い人たちをぐいぐいひっぱっておられる。

一方、洋子さんは文筆家でもある。また自然な農法を含めたライフスタイルの提唱者として全国を講演して回る。国連でもスピーチした経歴をもつ多才ぶりを発揮している。 私にとって、そんな彼らと過ごす時間はとても貴重だ。

息子さん夫婦はおけら牧場のジャージー牛のミルクで作るイタリアンスタイル・ジェラートの店「カルナ」を三国市街地で開いている。

彼らは三国町の奨学金に応募し、それを以てジェラートの修業にイタリアへ渡った。

帰国しその技術でイタリアン・アイスクリームショップを三国町に開店。以来、ここは平日でも大人気の店だ。

この「カルナ」へのミルクの供給は、開店当初はジャージー牛1頭分で十分賄えていた。

ところが、カルナの人気急上昇でミルクが追い付かず現在は4頭のミルクを毎日届けている。

おけら牧場ミルク、ストレスフリーの飼育なので品質は最高だ。

1リットル¥500-と安くはないが、美味しさと安心安全、そして高品質を考えれば逆にとてもお値打ちだと言えよう。

芦原温泉の高級旅館も宿泊客に出すミルクとして使っているとか。大好評だと聞いた。  さて、ここ「おけら牧場」では、乳搾り体験、有精卵採り、牛のえさやりなど、山崎さんご夫婦のポリシーを反映した農業体験プログラムを一般の人たちに広く公開している。

個人でも団体でもいつでもだれでも予約可能だ。

免疫法の関係で、外国人の方は鶏舎には入れない。それ以外の制限はない。

子供たちはここでその農作業体験を喜んで楽しむ。

昼食もこの牧場で採れた野菜やミルクや肉(まさに育て出荷した肉牛のビーフである)でお好み焼き作りまで指導してくれる。

ご飯の後は、雑木林で遊ぶ。

木の枝にかけたロープのブランコは子供たちの大のお気に入り。 そんな子供たちの笑顔を山崎さんご夫妻はやさしく見守る。

本当に、21世紀の日本の未来を託す子供たちを大事にしている姿だ。 2年前娘さんが獣医として帰郷し、敷地内に動物病院を開いた。

後継者ができて、彼らのファミリービジネスはますます元気である。

後継ぎ、というより自分たちのしてきた仕事、つまり人生をわが子に理解し受け止めてもらえた、そのことが何よりうれしいのだろう。

 私自身も山崎さんご夫妻と交流できることをとても誇りに思う。

Shozo Fujiiさんによって書かれました。
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