福井「内水面総合センター」

福井の川魚を見て学べるアラレガコ養魚研究所

Shozo Fujii   2014/01/17によって

文部科学省が全国都道府県の教育委員会を通じて小学校6年生と中学校3年生を対象に実施している「全国学力・学習状況調査」というテストがある。

福井県は全国第2位(2013年)と、福井の子供たちの学力の高さ、福井の教育水準の高さが示されているところだ。

 これはいろいろな理由が上げられるだろうが、その内の一つとして、県内の行政研究施設が広く県民に公開され、子供たちの知的関心を引き出そうとする姿勢や仕掛けが積極的であることは注目すべき要素であると言えるだろう。

 理科・科学への親しみや関心を幼児児童の頃から抱いてもらえるような仕組みは、地域を知り、郷土に対する親しみや愛着を育てる。

やがてそれらの分野への強く深い関心から、将来のビジョンを子供たちが描く道筋へと誘うこともあり得る。

 そういう意味で、三国町の「畜産試験場」や松岡の「総合グリーンセンター」と並んで、「福井県内水面総合センター」は、小さな子供たちを連れて訪れることができる行楽としてもとても有意義な対象である。

福井市の郊外北東部にある「福井県内水面総合センター」は福井県が運営する行政施設だ。

アユの種苗生産や、淡水魚の種苗生産技術の開発および河川・湖沼での調査研究を主な業務としている。

 小さな幼児ならば、正面の池で飼われている鯉に餌やりをしたり、センターの方が実施する工作教室や、魚の塗り絵などが楽しめるだろう。

 5,6歳以上の子供たちは展示水槽の淡水魚を見たり、コンピュータクイズなどを通して県内の河川や湖沼に棲む魚などの生物を見たり知ったりする体験が楽しい。

 屋外には人工の流れがあって、夏などの時季はその中に素足で入って水遊びを楽しんだり、晴れた日なら週末でも家族でピクニックに訪れることもできる素晴らしい公園を有している。

 このセンターについて一つぜひとも触れておきたいのは「アラレガコ」の研究養殖を行っている点だ。

 アラレガコは正式には「カマキリ」と呼ばれる。

カジカやハゼに似た形状の魚で、福井では九頭竜川の上流域に棲息している。

特に九頭竜川はアラレガコが大きく生育する。

生育環境が合うのだろうか。

 河を下る11月から1月にかけてが漁獲の時季だ。

この時季福井では霰(アラレ)が降り冬が始まる。

アラレガコは産卵のため河を下るのだが、「アラレが冷たくて気持いいなあ。」と、白い腹を水面に出してアラレを受けるという。

いささか眉唾もののエピソードがその名の由来とも言われている。

 この見かけは決して美しくはないユーモラスな風貌の魚。

味の方が結構美味とあって、煮物、唐揚げ、さらには刺身といろいろに食通の舌を楽しませている。

 昭和20年代には20センチほどの大きさのアラレガコが七千尾も獲れた記録があるが、昨今は年間百から三百尾と激減し、絶滅危惧も懸念されているのだ。

 1935年(昭和10年)6月7日に生息地が国の天然記念物に指定された。

そこで福井県ではこの個性豊かな地方魚を福井の顔に育てる試みをスタートさせた。

昭和63年、この「内水面センター」でアラレガコの養殖に向けた研究を開始したのである。

 いつしか漁獲量が増えて、県内の居酒屋などで「天然記念物・アラレガコの唐揚げ」がメニューを賑わす日が待ち遠しい。 

Shozo Fujiiさんによって書かれました。
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