心躍るような旅行先に行ったとしても、その国のお金事情をよく知らないと、とんだ事態に陥ってしまう可能性すらある。日本には、美食やショッピング、レジャー体験など、楽しいことがたくさん。お金を使う機会に備えるためにも、このガイドを読んで、日本円についてのトリセツを頭に入れておこう。

通貨換算ツール

日本の通貨は「円」、日本語で「えん」と発音し、(日常生活では、漢字の「円」と書かれているのを見る方が多いはずだ)「¥」のマークで表示される。ここで面白い事実をお教えしよう。「えん」は日本語で「丸い輪」という意味もあるため、当初為替レートは1ドル360円 (360°=円周) に設定されたそうだ。

現在の消費税率は全国8%(2019年10月より10%へ改定)。

日本円には10種類の額面金額がある。1円、5円、10円、50円、100円、500円の硬貨6種と、1000円、2000円、5000円、10000円の紙幣4種(ただ、2000円札はとても珍しい)だ。詳しくは、それぞれの額面単位について読んでみよう。

お金の払い方

現金

  • クレジットカードやデビットカードが普及しているものの、日本は主に現金主義社会で、特に地方においてその傾向が強い。さらには、普通電車や地下鉄、バスの切符は現金でのみ購入できる(ICカードは使えるが、ICカードへのチャージは現金のみだ)。
    • (1000円紙幣や10円硬貨、100円硬貨など)少額貨幣をいつも手元に持つようにすれば安心だ。切符などの自動販売機では、高額紙幣(特に5000円札と10000円札)を受け付けないものが多いからだ。そして、うっとうしいかもしれないが、特に8%(※現在10%)の消費税を考えると、少しばかり1円硬貨を持っていても害にはならないだろう。
    • 財布の中にたくさん現金を持つのは、最初は不安かもしれないが、日本は世界でも犯罪率が最も低い国のひとつ。用心するに越したことはないが、この国ではお金を盗まれるよりも、落としたり置き忘れたりする可能性の方が高いだろう。

クレジットカード/デビットカード

  • 日本はいまだに現金主義社会だが、都市部を中心に、クレジットカードやデビットカードは徐々に浸透してきている。クレジットカードを使うつもりでも、ふだんより多めに現金を持ち合わせていたほうが良い。
    • ほとんどの小さな飲食店や商店では、カードは使えないだろう。
  • クレジットカード会社の多くは、海外で発行されたカードには(通常1~3%の)手数料を課すはずだ。
  • 最も普及し導入されているカードは、マスターカード、Visa、JCBで、次にアメリカン・エクスプレスとダイナーズクラブが普及している。

ICカード

  • 日本では(特に都市部において)、SuicaPASMOなどのICカードの普及が進んできている。
  • その大半は電車やバスの運賃に利用されるが、とりわけ駅構内や周辺施設において、ほかにも様々な目的に利用される。

円を手に入れるには

ATM

  • 円を引き出すには、おすすめの方法が二つ。日本郵政やセブンイレブンのATMを使う。
    • 日本郵政のATMは、全国2万6千か所以上に(「JP」のロゴ表示とともに)設置されている。各郵便局に少なくとも1台以上あり、ほかにも、ショッピングモールやスーパーなどでも見つけることができる。営業時間は場所によってそれぞれで、主要都市の大きな郵便局では、地方の小さな郵便局よりも長く営業しているだろう。英語にも対応している。
    • セブンイレブン(セブン銀行)は、日本全国のセブンイレブン店舗に2万台以上のATMを設置している。実質ほぼ年中無休で営業しており、現在5か国語(日本語、英語、韓国語、簡体中国語、ポルトガル語)に対応している。2015年2月までには、さらに7か国語(繁体中国語、タイ語、マレー語、インドネシア語、ベトナム語、フランス語、ドイツ語)が追加される予定だ。
  • 他のATMの多くは、海外発行のカードを受け付けていない。国際取引を受け付けている日本の唯一の銀行はシティバンク銀行だが、そのATMでさえ数に限りがある。さらに、ほとんどのATMでは、営業時間外に現金引き出しをする場合には追加手数料がかかる。(営業時間は通常、平日午前9時から午後5時まで)

通貨両替

  • 通貨の為替レートをおおよそ知るためには、このページの一番上にある「Currency Converter(通貨換算ツール)」を使うか、「XE通貨換算ツール」で見てみよう。
  • 「Authorized Foreign Exchange(外国為替公認銀行)」の表示がある場所ならどこでも、通貨の両替ができる。銀行や(トラベレックスなどの)両替商などをはじめ、こういった場所は空港や主要都市にある。
    • 銀行は通常、平日午前9時から午後3時まで営業している。
    • ホテルや大きな百貨店では、手数料がかかったりレートはやや悪かったりするが、通貨両替サービスも行っている。

トラベラーズチェック

  • 海外発行のカードが使えるATMの数が比較的限られていることもあり、日本では、トラベラーズチェックが案外便利だ。
  • トラベラーズチェックは、両替機やATMよりもレートが良いことが多く、主要銀行やホテル、旅館、主要都市の店舗で利用できる。ただし他の場所ではあまり利用できない。
  • 外国の銀行で引き出した小切手では支払わないこと。日本の多くの場所では、多額の手数料がかかったり、受け付けてもらえなかったりするだろう。

エチケットと留意点

  • 日本で暮らすには大体どの程度の費用がかかるかを知るには、このブログを参考にしてみてほしい。
  • 日本でお金を使うにあたって、おそらく一番重要なルールは、「チップ不要」ということ。レストランやタクシーでチップを置いて行った場合、たいがいは、あなたがお金を置き忘れたと思われて、返金しに追いかけてくるだろう。
    • (旅館の仲居やツアーガイドなどに)チップを置いていきたい場合、封筒にお金を入れて、相手に直接渡すとよい。
  • 多くのレストランや店舗、またタクシーでは、支払いのお金を直接レジ係や運転手に渡す代わりに、お金を乗せるための小さなトレーが出される。
  • 通貨によるが、円との両替は、たいがい自国よりも日本で行ったほうがよい。手数料を安く抑えられ、為替レートの面でもお得だ。
  • 日本では、偽札の心配はいらない。実質、存在しないに等しい。

額面単位

日本円の硬貨や紙幣について、それぞれ詳しく読んでいこう。

  • 硬貨
    • 1円
      • 薄い銀色で縁取りはなめらか。
      • 6つの硬貨の中で一番小さく軽い。純アルミニウム製。
      • 重さは1グラムきっかりで、そのため時折、重りとして使用される。
      • 日本の硬貨の中で唯一、(注意深く置いた場合は)水に浮く。
      • 現行デザインは、オモテに若木が描かれており、日本の健やかな成長を象徴したものである。

    • 5円

      • 金色で、縁取りはなめらか、中央に穴が開いている。
      • 現行デザインのオモテに描かれている稲穂と歯車、そして海は、それぞれ農業、工業、水産業を象徴している。
      • 裏面には双葉が描かれており、日本の民主主義を象徴している。
      • 貨幣価値を数字として描いていない、唯一の硬貨。(※漢数字で表示されている)
    • 10円
      • 縁どりがギザギザした10円硬貨(ギザ10と呼ばれている)は珍しく、コレクターが欲しがる品だ。鋳造されたのは、(1951年~1958年の)7年間のみ。
      • 裏面には、常緑樹が描かれている。
      • オモテには平等院鳳凰堂の図。
      • 青銅色(95%は銅でできている)で、縁取りはなめらか。
    • 50円
      • 銀色でギザギザした縁取り。中央に穴が開いている。
      • オモテには3輪の菊が描かれている。
    • 100円
      • 新幹線鉄道開業50周年を記念する100円硬貨の新シリーズは、2015年と2016年に数量限定で流通する予定。
      • 様々な行事を祝うための限定版100円記念硬貨が数多く存在する。
      • 現行デザインは、オモテに桜の花が描かれている。
      • 銀色で縁取りはギザギザしている。
    • 500円
      • 薄い金色で、ギザギザとした縁取り。
      • 日本の硬貨6種の中で、最も大きく重い。重さ7グラム。
      • 現行デザインは、オモテに桐が描かれている。
      • 裏面には、竹と橘の葉が描かれている。
      • 角度を斜めにしてみると、裏面のゼロの中にそれぞれ、ホログラムで記された「500円」の文字を見ることができる。
      • (2000年まで鋳造された)限定版の旧500円硬貨は、少しずつデザインが違っており、現在も流通している。
      • 様々な行事を祝うため、限定版の500円記念硬貨が数多く存在している。
  • 紙幣
    • 1,000円
      • 裏面には、富士山と本栖湖、脇には桜の花が描かれている。
      • 現行紙幣のオモテ面は、野口英世の肖像が描かれている。野口は、梅毒や黄熱病に関する革新的な研究で有名な細菌学者。
      • 図案は青色で印刷されている。
    • 2,000円
      • 図案は緑色で印刷されている。
      • 沖縄での第26回G8サミット開催と千年紀を記念し、2000年に発行された。
      • 紙幣のオモテには、沖縄の首里城の正門である守礼門が描かれている。
      • 裏面には、源氏物語の一場面と、その著者である紫式部が描かれている。
      • 二千円札は数量が限られているため、日本では珍しい紙幣とされている。
    • 5,000円
      • 図案は紫色で印刷されている。
      • 現行デザインのオモテ面には、著名な最初の日本人女流作家・樋口一葉が描かれている。
      • 裏面には、尾形光琳の「燕子花図(かきつばたず)」が描かれている。
    • 10,000円
      • 図案は茶色で印刷されている。
      • 現行紙幣のオモテには、慶応義塾大学の創設者・福沢諭吉の肖像が描かれている。
      • 裏面には、平等院の鳳凰像が描かれている。