日本でもっとも有名な詩集、小倉百人一首の中にこんな歌があります。「つくばねの 峰より落つる みなの川 こひぞつもりて 淵となりぬる」(筑波山の峰から流れるみなの川がだんだんと水かさを増して深い淵となるように、私の恋心もつのって今では淵のように深くなっている。)
1億年ほど前にできた筑波山は何世紀もの間、日本人の心に寄り添ってきました。日本の神々や伝説が書かれた古事記にはイザナギとイザナミが日本を創ったとされています。一説には、筑波山が最初に創られたといわれており、その文化的・神話的な重みから「国産みの神」であるイザナギとイザナミは筑波山の2つの山、男体山と女体山にそれぞれ祀られています。
この文化的な影響は江戸時代以降も続きました。風水では、北東の方角は鬼門と呼ばれ、鬼の通り道で縁起が悪いとされていました。筑波山は江戸城の北東に位置するため、幕府からも厚く保護され、崇拝されてきました。
文化と神話に加え、最近の筑波山神社の参道にはたくさんの土産物屋があります。ここの有名なお土産は、興味深いことに「ガマの油」です。鳥居を過ぎると神橋という美しい橋があり、橋を過ぎると素晴らしい随神門があります。さらに進むと、皆さんの目に大きな鈴のある拝殿が見えてきます。春日神社や厳島神社などの摂社も近くにあります。
他の神社と同様に、お守りや御朱印(寺や神社を参拝した証)が用意されています。筑波山神社の隣には関東平野を見渡す絶景が見られる大御堂があります。東京スカイツリーも見ることができます。男体山御本殿や女体山御本殿に参拝するには徒歩で90分ほどかかります。ケーブルカーを使えば20分ほどで到着します。
豊かな歴史、文化、自然に恵まれた筑波山は、訪れるのに絶好の場所です。