京都「祇園」その3最終

茶屋で舞妓芸妓と遊ぶ

茶屋の紹介者など周囲にいない御仁が祇園の茶屋で舞妓芸妓を上げて遊ぶにはどうすればいいか。実は「おおきに財団(京都伝統技芸振興財団)」という方法がある。

京都の花街に伝承される伝統芸能の保存を図る目的で、京都市観光協会と京都花街連合会が平成8年に「おおきに財団(京都伝統技芸振興財団)」という組織を立ち上げたのだ。紹介者がいない場合は「おおきに財団」の会員になり、事務局に依頼すると手配をしてくれるという次第なのである。「おおきに財団」の友の会会員は年会費3万円を要する。付け加えれば、この「おおきに財団」の会員特典は茶屋の紹介だけでなく、5花街の都踊りへの招待や芸妓との懇親のおおきにパーティー(会費別途)への招待と特典盛りだくさんで結構お値打ちである。

さあ、これで茶屋に乗り込むわけだが、何点か注意したい。

服装は最低限の身なりを整えることが肝要である。Tシャツジーパン・スニーカーではいささか具合が悪い。紹介者の顔を立てることにも繋がることである。フランス料理店に入るのと同じく、男性はジャケット、女性はそれなりの大人の常識の服装で臨みたい。靴も磨いて行こう。玄関で靴を脱いで座敷に入るわけだから裸足ではまずい。靴下は必須である。予め断りを入れておけば写真撮影は差し支えない。これも大人の対応を心得たい。

 いつの間にやら日はとっぷりと暮れている。見上げれば西の空に日の名残の茜色が淡く残っている。眺めが夕闇に溶け込んでいく中で過ぎ往く一日の名残を惜しむかのようにその茜色は暗がりに消えることに抗っているようである。さて私はどこぞの割烹でも入って、伏見の酒と京野菜の漬物で一杯やって行こうか。祇園ぶらぶら。

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Shozo Fujii 執筆者 9年前
Sakaguchiさん、歌舞伎・能などの古典芸能、茶の湯や芸妓遊びの茶屋など、実に豊かな日本文化はもはや特定の人たちの物になりつつありますね。それなりの造詣も求められますが、一度でも体験しておくべき価値はあると思います。やはり数百年続いているものには何かがありますよ。ぜひ!
Aya Sakaguchi 9年前
Fujiiさん ありがとうございます。そうですね。このコメントを書いた後に、前の記事を読ませていただき、お茶屋さんのシステムを恥ずかしながら初めて知りました。こうした文化を体験するのは、日本人にとっても貴重なことですね…。おおきに財団、早速見てみます。
Shozo Fujii 執筆者 9年前
Aya Sakaguchiさん、京都のお茶屋は「一見さんお断り」ですので、外国人がいきなり初見参というのは誰かが一緒に連れて行くしか方法がありません。これは日本人も同じですね。「おおきに財団」がありますので、日本人はこの友の会に入ってまず一回行き、同じお茶屋に次は友人の外国人を連れて行く。この手順でしょう。
Aya Sakaguchi 9年前
人生に一度は行ってみたいお茶屋さん。東京にも花街の文化を残すための色々な催しが企画・実施されていると聞いたことがありますが、やはり京都で行ってみたいと思いますよね…。ちなみに、これは外国人の旅行者でも行くことはできるんでしょうか?

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