「奥之院」と「壇上伽藍」の二大聖地と大小様々な寺社で構成された真言密教の聖地、高野山。国内だけでなく、海外からも数多くの観光客が訪れる。
弘法大師が真言密教の道場を開くうえで一番初めに着手したのが壇上伽藍。境内には根本大塔、金堂など19の巨大な建造物が建ち並ぶ。そしてもう一つの聖地は一の橋から弘法大師御廟までの約2km、石畳が敷き詰められた参道が続く奥の院。杉の大樹に覆われた半日陰の参道は夏でも涼しい。ここは弘法大師が高野山へ最初に入定された地でもある。ちょうどこの奥の院の水向地蔵で水を手向けている時、不思議な籠を僧侶一人が先導して、二人が前後に担いで後に続くのが見えた。これは「生身供 (しょうじんぐ)」と云う儀式。高野山では弘法大師は今も生きているとされていて維那(いな)と呼ばれる弘法大師の世話係を代々行なってきた僧侶が先導し、瞑想中とされる御廟の中に入っていくのだ。この儀式、弘法大師の死後もずっと続けられ1200年もの間、欠かされた事がない。当然、精進料理だろうと思いきや、なんとパスタやシチューなど洋食メニューもあると云うから驚いた! ちなみに弘法大師が入定した日には、毎年衣類も届けられている。※御廟内はもちろん撮影&立ち入り禁止なので注意して欲しい。
行き方
高野山奥の院
南海高野線極楽橋駅から高野山ケーブルで5分、高野山駅で南海りんかんバス奥の院前行きに乗り換えて25分、終点下車、徒歩10分