チェスコ屋は地元客にも観光客にもこよなく愛されている面白い店だ。殆どの人がこの店を口コミで発見するらしく、私の場合もそうだった。ビアパブとライブハウス、そしてクラブが融合したかのようなこの店は、朝まで飲み明かすもよし、仕事帰りにちょっと一杯引っ掛けに立ち寄ることもできる便利な場所だ。週に数回スペシャル・イベントも行われ、私はこの店のありとあらゆる良さを楽しみながら、次第に常連客の一員に加わろうとしている。チェスコ屋のゆったりした温かい雰囲気に誘われて、ついつい立ち寄ってしまうのだ。
チェ スコ屋の人気の秘密は、なんといってもチェコ人の店主、ルミールの存在だろう。お酒を飲みながら気軽に会話やダンスを楽しめる国際的で手頃な価格の店がない事に不満を持った彼は、数年前この店を自らの手で開店した。ルミールとフレンドリーな店のスタッフ達は、この店に足を踏み入れる全ての人々を温かく 迎え入れてくれる。地元想いで、今時珍しい正直なビジネスマンの彼は、あらゆる予算の客に応じて多種多様なメニューを取り揃えており、このお手頃感が大学生からの人気も高い理由の一つだ。例えば500円のドリンクだけで数時間粘ることもできる。しかし約50種類にも及ぶビール -- そのうち8種類はドラフト・ビールだ -- を目の前にしては、ドリンク1杯で帰るのはほぼ不可能に近い。日本では滅多にお目にかかれない輸入ビールがずらりと並んでいるからだ。まず手始めにお馴染みのドイツビールやベルギービールで喉を潤し、その後珍しい銘柄、例えばジャマイカビール等を試してみるのも面白い。美味しい軽食も楽しめ、日替わりメニューや一回限りの特別メニューもある。
チェスコ屋には他のクラブで運悪く遭遇するような悪趣味な内装や耳をつんざく音楽、どギツイ照明はないから安心してほしい。とはいえ、ちゃんとパーティーも開催できる。6階でエレベーターを降りてドアをくぐれば、バーへと続くこじんまりした入口がある。店内にはダーツボードやスポーツ・ビデオが見られるプロジェクター・スクリーンが置かれ、中央にはダンスフロアがある。その奥にはテーブルとソファがゆったりと並んでいて、喧騒に邪魔されず本格的なお喋りも楽しめる。日によってDJやバンドがライブで演奏し、ワイルドなパーティーが開催されることもある。平日は比較的静かだが、定期的にいろんな面白いイベントを行っている。イベント予定はチェスコ屋のフェイスブックページ ( Ceskoya もしくはチェスコ屋 ) やライン ( @tyx8869k ) に掲載されている。アフリカ人ドラマーによるアフリカン・ナイトや各種ホリデー・パーティー、ポール・ダンスからベリー・ダンスショーに至るまで、ありとあらゆる面白い出し物が見られる。また、しっとりとしたジャズコンサートや英会話サークルの会合、映画の試写会なども行われている。エスニック料理ナイトや月1回行われるビストロ・ナイト、地元のフレンチレストラン、ビストロ・ヤマライとのコラボレーション等もある。特別な場合を除いて、チェスコ屋ではチャージは無料だ。チャージ付き特別イベントの場合でも、チャージ料が500円を超えることはまずない。
チェスコ屋は気軽に入れるだけでなく、JR仙台駅から徒歩15分とアクセスも抜群だ。客層は20代から40代、日本人や外国人、学生、社会人が入り交じっている。行く時間帯やイベントにより、常連客や初めての客など、いろんな人に巡り合える。営業時間は夜8時から深夜まで ( パーティーが盛り上がれば朝4時まで開いている場合もある )。いろんな人と出会え、お財布にも優しいユニークな「深夜食堂チェスコ屋」、仙台に来たら是非一度訪れてみよう!