尾道では、お茶を楽しんだり客人をもてなしたりする別荘のことを「茶園(さえん)」と呼んでいました。大正10年に建てられたこの一軒の茶園建築はゲストハウスとして生まれ変わり、100年経った今も世界中から訪れる旅行客を迎えています。
港町として栄えた江戸時代から昭和初期にかけて尾道で育まれた「茶園文化」。地元の豪商や名士はこぞって山の斜面に別荘を構え、眼下に広がる景色を眺めながら、お茶や客人との時間を楽しんでいました。平成に入りNPO法人尾道空き家再生プロジェクトの改修工事によって息を吹き返した一軒の茶園建築は、「みはらし亭」としてリニューアルオープン。宿泊客だけでなく、1階のカフェ利用者も”箱庭”のような尾道の街が一望できます。
「みはらし亭」そのものが有形文化財に登録されているため、施設を大切に扱うことはもちろん、小さい子どもを連れての宿泊はできないなどの制限があります。また、本来眺めを楽しむ建物であったことから、アクセスするにはロープウェー千光寺山山頂駅から15分ほど下るか、尾道市街から石段を360段上がらなければならないといった不便な点も。しかし景色が楽しめるように設計が施された別荘建築や、そこから眺める美しい朝焼けは格別!当時の尾道の人々が愛した茶園文化の一片を垣間見ることができます◎
気持ちよく宿泊できるように予めHPを一通り見ておくことをおすすめします。
行き方
①千光寺公園駐車場 or ロープウェー千光寺山山頂駅から徒歩10~15分ほど下る。
②JR尾道駅から商店街を抜け、斜面地の「千光寺道」の石段約360段を上がる。駅から20~30分ほど。