三鷹の森 ジブリミュージアム

日本アニメ界の巨匠、宮崎駿氏のお城

注意

Admission to the Ghibli Museum is by advance reservation only.

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日本の現代アニメ界の巨匠である・宮崎駿氏が設立した、宮崎アニメの“殿堂(お城)”を見学した。

入場は日に4回、購入したチケットによって指定した時間に入場できる仕組みになっている。チケットの購入も、ローソンというコンビニでしか購入できない狭き門ながら、天候に恵まれていなかった冬の平日でも、老若男女、国籍問わず多くの人々で賑わっていた。

敷地内に入ると、足下がふんわりと柔らかい。木屑として不要になったチップをリサイクルして、地面に敷き詰めているようだ。ここにも自然環境保護を訴える宮崎監督の意向が感じられ、好感が持てた。

美術館の外観はまるで宮崎氏のアニメに出てくるような、不思議なお屋敷として実物大にデザインされ、現存するどのミュージアム・スタイルとも違っているように見えた。別世界への入口のようにも感じられる雰囲気に、入場前から子供心がわくわくした。

予定された入場時間より早めに到着したのだが、建物の門前で美術館スタッフに入場まで少し待つように言われ、逸る気持ちを抑えて建物の周りを散策。数メートルほど歩くと、実物大のトトロの人形が小さな建物の中で、美術館入口への案内役として鎮座していた。その建物の下方にあった丸窓からは、同じく『となりのトトロ』でおなじみの、“まっくろくろすけ”達がこちらを眺めている。入口から数十m歩いただけで、すでに宮崎ワールドに歓迎されているように感じた。

開場5分前より入場開始、エントランスではフレスコ画やステンドグラスによってカラフルに彩られた宮崎アニメのキャラクター達が出迎えてくれた。チケットとパンフレット、映像展示室・土星座へのチケットである一枚一枚絵柄の違うピクチャースライドが手渡された。長い重厚な木製の階段を下りると、大きな木の中にいるのかと見まがうような、安定感のあるエレガントな木製の建物、吹き抜けになった高い天井にはドーム型の天窓があり、興味深い個室や階段や通路があちらこちらにあるので、まずどこを見ようかと目移りしてしまう。

内観は地下1階から2階までの3階建て。2階から出られる屋外にはカフェやレストランがあり、午後2時を周っていたが多くの人々で賑わっていた。多国語も多く聞こえた事から、世界中から宮崎氏のアニメファンがつめかけているのだろう。

まずは地下一階の見ものは、宮崎アニメとアニメーションの歴史をおなじみのキャラクター達で再現させた、実験室のようなスペース。この部屋に足を踏み入れると、魔法のようなアニメーションを作り上げていたアニメ界の祖ディズニー氏の初期代表作“ファンタジア”を想起させるような、宮崎氏のキャラクターが踊るセピア色と総天然色ワールドに、現実の肉体を持ったまま入ってしまったような不思議な感覚に陥ってしまう。

大きな活動写真機では『となりのトトロ』のキャラクター達が、3Dのパタパタアニメとして心地よいスピードで動いている。お馴染みのキャラクターだからこそ、安心してずっと見ていたくなる。実は、私はこの夢のような空間が最も印象に残っていて、大人になってから、こんなに子供心がワクワクするのを感じたのは初めてだった。これを子供の頃に見たら、また行きたい!と両親に駄々をこねてしましまうに違いない‥

そして、1階の見所は、スタジオ・ジブリのアトリエが再現されている場所。まるで中世の偉大な魔法使いの所有物のような書斎に、アニメーター達が一所懸命に作業していた制作部屋など、実際の道具や資料などが(おそらく)そのままの形で配置され、昨日まで作業していたかのように再現されている。

宮崎アニメファンとしてじっと見ずにはいられなかったのが、無造作に壁に張られた『風の谷のナウシカ』や『かりぐらしのアリエッティ』などの宮崎氏の手による原画の数々。スペースの一角には、背景描画とセル・フィルムを連動して動かす装置などがあり、アニメーションを作る工程を同じように共有することが出来る。

最上階である2階はお土産コーナー。キーホルダーなどの小物類から、マニアが喜ぶような高価な逸品まで多数取り揃えられており、混雑していなければもう少し見たかったと思う。

同階の対面には、実物大の猫バスに実際に座れるコーナーがあり、『となりのトトロ』を見た幼少時代、メイちゃんのようにふかふかの猫バスに乗りたかった夢が、20数年の時を経て実現された!猫バスを降りると、『千と千尋の神隠し』や『ハウルの動く城』の印象深いシーンが実物大の世界で広がる。ここもまた子供と来たら大喜びするのだろうな、と感じられた。

屋上があるということをエントランスで聞いていたものの、見つけることが出来ず、もういちど館内ガイドに尋ねてみたところ、どうやら1階の外から行けるらしい‥ 子供達が戯れていた猫バスの部屋を抜けて細い螺旋階段を上ると、『天空の城ラピュタ』に出ていた心優しき機械の兵士が、等身大で立っていた。そして、ラピュタの謎を解くための石版も設置され、屋内とはまた違った不思議空間が創り出されていた。

最後に、映像展示室・土星座では、シーズンごとに短編映画が上映されており、私が見たのは“やどさがし”という一人旅をする絵描きの女の子のお話だった。年間の上映スケジュールが決まっているようなので、その時期上映する映画を調べて、好みの映画に合わせて観覧日を決めるのも良いかも知れない。

5感だけに留まらない、子供心に栄養を与えてくれる宝箱のような場所‥ 大人の社会に疲れた時、日常の喧騒をはなれ、童心を想い出すための冒険に旅立ってみるのも、たまには良いかもしれません。

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yk 11年前
私は「ととろ」が大好きだった娘と行きました。娘は猫バスとか見て感激していましたが、その時娘は既に5歳過ぎていたので、中に入れずちょっと悲しいそうな感じでした。投稿者の印象とはまったく違った感想を持ちました。ところてん方式のように、押されて入り押されて慌しく展内を廻り、ちょっと夢のようなジブリの印象が壊れてしまったのを覚えています。
また行ってみると違うのかもしれません。。。。。

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