通常の東京観光ルートからはすこし外れるが、東西線にある、賑わってはいないが居心地のいい街、東京駅から約25分の葛西というところに、東京地下鉄博物館がある。葛西やその周辺は旅行者への情報がほとんどないエリアだが、この小さいが面白い地下鉄の博物館は、鉄道ファンはもちろん、東京では主要のこの乗り物に興味のある人には見る価値がある。
実際の地下鉄のように思わせる造りになっていて、改札口が入り口となっている。これがまた博物館にいい雰囲気を与えている。残念なことに、これを書いている時点では、節電のために改札口は停止されており、博物館の係員がチケットを切っているだろう。
入り口をはいって最初は、東京の地下鉄の歴史がわかるビデオがある。トンネルを掘るところから地下鉄がどのように発展してきたかなどを見る。さらに、最初の写真にあるような古い電車もあり、座席に座ったり内装を見学することができる。この車両の近くにまた別の車両があり、プラットフォームや等身大の和服を着たマネキンがいたりして、地下鉄が出来たばかりの頃とその乗客たちを垣間見ることができる。
2番目の写真は、いろいろな地下鉄線の歴史がタイムラインに沿って表示されているものだ。一番上が最も古い地下鉄線、銀座線(1927年に運行開始)で、一番下が最も新しい副都心線(2008年運行開始)だ。タイムラインでそれぞれの線の歴史が詳しく説明されている。
他には、子供たちが楽しめるようなシュミレータがあったり、地下鉄用トンネルを掘るための技術をデモンストレーションで見せたり、日本や世界の地下鉄について知識が得られるコーナーがあったり、地下鉄グッズを販売しているショップもある。地下鉄博物館は子供向けではあるが(いつ行っても子供たちが大勢いるだろう)、大人でも、東京の地下鉄、世界でもっとも忙しく動き続ける地下鉄のひとつであり、多くの人が足として利用しているこのシステムについて詳しく知るのは非常にためになるだろう。