王子 狐の行列

装束ゑの木 大晦日の狐火

東京都北区王子。

東京の北のはずれのこの街では、毎年大晦日から元旦にかけて、ちょっと不思議な行事が行われています。

"装束ゑの木(しょうぞくえのき) 大晦日の狐火"は、江戸を代表する浮世絵師、歌川広重が「名所江戸百景」で描いた浮世絵のタイトルで、江戸の昔からの伝承を町興しに取り入れた今年で23回目となる新しい年中行事です。

伝承では、昔むかし武蔵の国(東京・埼玉・神奈川北東部)に棲む狐たちが、大晦日の夜に狐火となって大きな榎の下にある稲荷神社の祠に詣で、こちらで装束を改めて近くの王子稲荷神社に初詣をしたとあり、その狐火の数で豊作、凶作を占っていたとも言われています。

大晦日の夜、王子駅近くにある装束稲荷神社に、和装に狐の面をつけ、狐の化粧をしたたくさんの老若男女狐が集まって来ました。

手に手に提灯を下げ、その提灯に火が灯るとカウントダウンが始まり、新年の掛け声とともに放たれたクラッカーが宙を舞い行進が始まります。

獅子舞も沿道の見物客に愛嬌を振りまき、勇壮な狐の神様やかわいい子狐、人より大きな狐の面が続きます。

神社の参道の両脇に集まった見物客の中を、ほの暗い提灯を捧げ持つ狐たちの姿はとても幻想的な光景ですよ。

この狐たちが詣でる王子稲荷神社は、平安時代以前の創建で江戸初期には徳川家康の庇護も受けた由緒ある神社。

狐たちはかがり火が焚かれた王子稲荷神社で初詣を済ませ新年を祝います。

回を重ねるごとに見物客は増え、最近は外国人観光客の姿も多く見られるようになって来ました。

出発前のカウントダウンの後、「明けましておめでとうございます!」と年始の挨拶と同時に「Happy New Year!」の声もあちこちから聞こえて来ます。

外国の皆さんも、小さいけれど不思議な行事を楽しんでいるのですね。

日時・・・毎年12月31日(行進は1月1日0時スタート)

最寄駅・・・JR京浜東北線・地下鉄南北線王子駅

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