沖縄・読谷村

〜亜熱帯の陶芸パラダイス〜

17世紀に誕生した沖縄の壺屋焼は、当時の琉球王朝が産業振興のために朝鮮人の陶工を招きいれ、朝鮮式の陶器作りの習得に力を入れたことが由来となっている。多くの弟子達が那覇市近郊の壺屋に窯元を構えて以来、焼き物文化は受け継がれてきた。しかし、20世紀に入り時代が変わるにつれ、伝統の登り釜から出る煙に対し付近の住人からの苦情が相次いだ。

そのため、島の西海岸部に移動した窯元もあり、それを受け、郊外で緑の生い茂る読谷村が陶芸家の集まるエリアとして定着した。読谷村の細い一本道には、糸のように窯元やショップが連なる「やちむんの里」が訪問者を歓迎してくれる。ここには、45人の職人の作品が陳列され、ワークショップでは実際に作業をしている行程をみることもできる。モチーフにはこの土地特有の鮮やかな魚が使われていることが多い。守り神としてお馴染みのシーサーは、手頃な価格でも販売されている。

村の中ほどの緩やかな傾斜部分に伝統的な登り釜がある。赤煉瓦でできた窯は、読谷村の多くの陶芸家たちが共同で使用している。うわ薬をかけて作られる上焼(じょうやち)とよばれる焼き物用に、年に何度か窯は高温に保たれる。上焼は、村の大きな収入源の一つとなっている。周りには個人の所有する窯もあちらこちらで見受けられるが、中には一般に立ち入れない場所もある。

読谷村に向かうには、沖縄県道12号線と6号線の両方からアクセスできる。途中、分かりやすい看板も出ている。村には無料で駐車できる箇所もいくつかある。まずは適当に車を駐め、そこから歩いてまわることをお勧めする。毎年12月の第3週あたりに開催される陶器市は混み合うものの、足を運ぶ価値は大きい。窯元はほぼ1年を通して営業しているが、ショップに関しては毎週火曜が休業日となっているところも多い。

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