岡田珈琲

熊本でジャパニーズスタイルのコーヒーを味わうなら・・・

「ジャパニーズスタイルの喫茶店で店主は、美味しい珈琲のために至福の時を演出します。」と、お話下さったのは熊本珈琲倶楽部の佐野俊郎さんだ。コーヒー豆の産地はもちろん、焙煎の程度、豆の引き具合、抽出の温度、コーヒーカップ、お店に漂う空気にいたるまで最上のものを追求し、研究に研究を重ねて醸し出すコーヒーこそジャパニーズスタイルなのだ。15世紀にトルコでコーヒーハウスが生まれて以来、イタリアのバールではエスプレッソ、アメリカのダイナーではドリップコーヒー、ベトナムのカフェではカフェオレなど世界では様々なスタイルが確立されていった。そうした中で現在、ジャパニーズスタイルのコーヒーを改めて世界に発信しようとする動きが高まりつつある。日本コーヒー文化学会は、コーヒーの文化や歴史などの勉強会、全国の愛好家どうしの社交などの様々なイベントを企画運営しており、その活動は活気に満ちている。来る12月には「熊本でコーヒーを楽しむ会」も開催予定となっている。

そこで早速ジャパニーズスタイルのコーヒーを味わおうと、熊本市の繁華街上通りの岡田珈琲に足を伸ばした。創業69年の歴史を持つ喫茶店だ。暗めの照明、白とダークブラウンで統一されたインテリアに、ジャズが流れていてとても落ち着いた雰囲気に演出されている。客層もコーヒー愛好家が多そうで、静かにおしゃべりをしている感じだ。注文したドリップコーヒーが来ると、母はひと口味わい、「んー、おいしか(おいしいわ)。」彼女はコーヒーが大好きで、高校時代に大人ぶって喫茶店にやって来てはコーヒーを飲んでいたことなどの思い出話をしてくれた。私の注文したカプチーノはウインナーコーヒーのように見えるのだが、シナモンスティックが付いていてそれを浸しながらいただくと少々スパイシーで濃厚なミルクコーヒーの様になり、普段コーヒーを飲みつけない人にもおすすめだ。栗の季節ということで、モンブランケーキを食したところ、中に入っていたさくさくとしたメレンゲと濃厚なマロンクリームとの食感の組み合わせががとても新鮮だった。忙しい日常から一歩引いてゆっくりとコーヒーを味わうひと時となった。

2階部分の喫茶店から階段を降りると、コーヒー豆、コーヒー用品、洋菓子などが購入できるお店になっている。店内に漂うコーヒーの香りがたまらない。世界各国から来たコーヒー豆には産地、味の特徴などが詳しく説明してありとても親切だ。コーヒーを淹れるにも、ポット、ミル、カップなどこだわりの品々が揃っていて、その奥深さにうならされる。また、私が小学生から慣れ親しんだお菓子、ナポレオンレザンが今も陳列されているのは、焼き菓子にも定評がある証拠だろう。母は先のモンブランが大変気に入り、数個購入していた。

岡田珈琲は上通りの本店以外にも県内に数店舗、またシンガポールにも店舗展開しており、ジャパニーズスタイルのコーヒーの国内外への発信源となっている。

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Yui Yamaguchi 執筆者 10年前
Aya Sakagushiさん、
Ayaさんもコーヒーがお好きなようですね。次回いらっしゃった際には、是非お立ち寄り下さい。スターバックスとは一味違った雰囲気ですよ。
Aya Sakaguchi 10年前
はじめまして。熊本に行ったときにここの存在を知っていたら……と思うとちょっと口惜しいです。
飾られたコーヒーミル、実家にもあったり…。熊本に行ったら、ぜひ訪れてみたいです。

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