カヌーイストの野田知佑は、バドルでひとかきする毎に景色が違って見えると椎名誠に語ったという。 (著作権:Bonson Lam)
カヌーイストの野田知佑は、バドルでひとかきする毎に景色が違って見えると椎名誠に語ったという。 (著作権:Bonson Lam)

蘇陽峡カヤック体験

初めてでも安心して楽しめる

九州の長閑な自然をカヤックで満喫できるという、かわじんの蘇陽峡カヤック体験に参加した。インストラクターの杉田英治さんはカヌーイストでもあり、カナダのユーコン川を約100日かけて旅した経験をお持ちだ。熊の遭遇に注意しながら、食料をカヌーに積み込み、日中はひたすらパドルをこぎ続け、夜は中州でキャンプをして過ごしたという。「何十日も自然の中で生活すると、感覚が研ぎ澄まされてちょっとした自然の変化に凄く敏感になるんです。」日本に帰国されてから、蘇陽峡など数箇所をフィールド調査し、カヤック教室を始められたそうだ。

山都町蘇陽総合支所が集合場所となっており、そこからはかわじんの車に乗って狭くて切り返しの多い道を谷底の川まで下って行く。川岸の小屋にはカヤックが用意されていて、すぐに乗り込めるようになっている。パドルの使い方も丁寧に説明してもらえるうえ、コースも桑野内ダム周辺で急な流れもないので初心者でも安心だ。ライフジャケットは必ず装着する。

カヤックの船体はラグビーボールを更に引き伸ばし、真ん中に穴を空けた様な作りになっている。その穴にすっぽり入って長いパドルの先を左右交代で上下に動かし水を掻いていく。力のバランスが悪いとまっすぐ進まずに右又は左側に偏ってしまう。パドルをこぐスピードでカヤックのスピードを調整できる。簡単なので、すぐに慣れる。

コースとなっている蘇陽峡は、ちょうど熊本と宮崎の県境。前後左右には緑豊かな山々が燃え、山にしみこんだ雨水が地下水となり岩肌の間から小さな滝となって流れ落ちる。鳥のさえずり、小さな滝の水音、バドルで水をかく音以外は何も聞こえない水辺だ。燦燦と照る太陽、黄味がかった緑が九州の田舎っぽい。真夏にはこの川で泳ぐこともできる。

また、杉田さんは特定非営利活動法人五ヶ瀬自然学校の理事を務め、夏はカヌー体験、冬はスキー教室、また一年を通してトレッキングやキャンプ、農業体験、高千穂での夜神楽見学や早朝の雲海見学など自然の中で遊ぶプログラムを多々提供されるほどのご活躍ぶりだ。運営されている五ヶ瀬の里キャンプ村では外国人観光客が利用しやすいようゲストハウスになっている。詳細はウェブサイトで確認されたい。http://www.gokase.org/

1
0
この記事は役に立ちましたか?
JapanTravel.com のサービス向上にご協力ください。
評価する

会話に参加する

Thank you for your support!

Your feedback has been sent.