石川県加賀市。
国道8号線から片山津温泉に向けて左折するとほどなく右手に見えてくる「朝日軒」。
中華料理店だが、食堂という形容がぴったりの、まったく飾らない店だ。
平日の昼だと、いつ行っても満員の店。
店を外から見たとたん、「お~!昭和!」 。
中華料理店とは何の関係もない、「カルピスソーダ」だの「ボンカレー」だの「キンチョー」だののポスターや、ほーろー鉄板製の看板がオブジェとして店内外の壁という壁を埋めている。
ここは、まさしく「昭和レトロ」。
ノスタルジック昭和を愛してあいしてやまないオーナーのコレクションが店内満載である。
さて料理の方だが、肝心の味はというと、さすがに人気のお店だけあって、どれも美味しい。
まず私の好物の「にんにくラーメン」。
黄色のたまご麺とちょっとコクのあるスープがとても合う。
最近は、スープを全部飲まない(塩分の取りすぎ)ように勧めるお医者さんが多いのだが、飲み干せる。
ただ、にんにくはスライスだが、生(乾燥)なので、口に入るとぴりりとからい。
餃子は小ぶりで焼き加減も香ばしく、具も味わい深い。
でも、この「朝日軒」のすてきなところは、ほっとして食事ができることである。
これは、棄てがたい。
おしゃれな店ではないし、店内はおせじにもきれいというわけではないけど、料理はどれも、B級として群を抜いているおいしさである。