つづら折りの急な崖を上り切ると、突然、目の前に素敵なピッツェリアが現れる。案内板に沿って進みつつも、こんなところに、本当にレストランがあるのだろうかと、多くの人がいぶかしむようだ。だがこの行列を見れば、なるほどこれが例のリストランテかと納得するだろう。この人気の秘密、アマルフィ・デラ・セーラの看板メニューは、何と言っても、薄くてカリッカリのピッツァだ。青い空と湘南の海を見ながらいただく、この贅沢!ここでこの味を口にしたら、あなたはもう、アマルフィ・デラ・セーラの虜になる。
運が良ければ(なるべく開店前に来たほうがいい)どこでも好きなテーブルを選ぶことができる。テラス席の海側最前列は、ちょっと陽射しがきついけれど、ビューは最高。一列下がると日陰に入るけれどもビューが劣る。そこでお勧めは、右端の角席だ。江ノ島も、海も、富士山も、崖に張りつく家々も一望できる。その上、パラソルがあるので陽射しもやわらかい。ここでのんびりとランチタイムを楽しもう。一時間かけておいしいランチに舌鼓を打ちながら、この景色、このすばらしい景色を心ゆくまで堪能していただきたい。
ランチタイムは午前11時から午後3時まで。ランチセットは2種類。前菜、パスタまたはピッツァ、サラダ、パン、デザート、コーヒーまたは紅茶で1890円から2630円。もちろんアラカルトも充実している。前菜やサラダは12-13種類ある。ピッツァは、定番ものの他に、しらすや長ネギを使ったオリジナルものがあり、1500円から2000円くらい。ショートパスタやリゾット類は1700円から1900円くらいである。
では、ランチメニューの一部をご紹介しよう。まず、前菜はマグロと鮮魚のカルパッチョが一押しだ。三崎港で水揚げされたマグロと、その日仕入れた魚で作るカルパッチョは、鮮度抜群。デラセーラ風サラダは、ガーリックの利いたシーザーサラダ。これが何とも食欲を刺激する。ピッツァ・マルゲリータとピッツァ・フォルマッジョは、王道を行くような正統派の味。ピッツァ・ジェノベーゼのトッピングは、マッシュルーム、松の実、そしてたっぷりのモッツァレラチーズ。美味しくて、どんどん手が出てしまう。ビールをグラスで注文すると、イタリアのビールが出てくる。日本のビールに慣れているアメリカ人の夫は、一口飲んで、「何か足りない・・・」とつぶやきつつも、二口目にはすっかり慣れてしまったようだ。結局、オーダーした2種類のデザートとともに、ぐびぐびとビールを飲み干していた。ゴーダーチーズとクッキーのジェラート、濃厚なプリン・クレマカスタラーナは、どちらも口あたりよく、程よい甘さ。
残念ながらアマルフィでは、予約は受け付けていない。したがって、満席の場合は、店の前のウェイティング・エリアで順番待ちをしなければならない。だが、ボードに名前と人数を書き込んだら、風にそよぐ木々の間から、海を眺めて待つのも気持ちがいい。なお、平日のランチなら、ほとんど待つことはない。
アマルフィの美味しいピッツァでお腹を満たし、美しい湘南の海に心を満たす、心身ともに充足した一日はいかが?鎌倉・江ノ島エリアにお出かけするなら、一度は行ってみたいレストランだ。