鎌倉 瑞泉寺の秋

鎌倉時代末期に造られた修禅の庭

禅僧・夢窓疎石が作庭した瑞泉寺の石庭には、岩を削って造った禅の庭の厳しさが現れている。新田義貞が鎌倉に攻め入り、鎌倉市中が激しい戦闘の場と化した1333(元弘3)年、夢窓疎石は瑞泉寺の門を開いて、傷ついた侍とその家族たちを受け入れた。寺はさながら野戦病院のごとく、僧たちは傷兵の手当や食事の世話に走り回った。その後京都に移った夢窓疎石は、10年後、西芳寺や天龍寺の庭園を整えるが、これらの庭には、瑞泉寺石庭よりも穏やかな表情が垣間見えるような気がする。

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