「仏舞(ほとけのまい)」と呼ばれる重要無形文化財(国指定)が、福井県越前海岸沿いの小さな村に伝わっています。
この舞は、天平勝宝8(756)年に中国・育王山の高僧禅海が糸崎寺を訪れ千手観音を寺に安置したところ、海中から緑色の亀の甲羅に乗って現れた観音菩薩が舞い踊った伝説に由来するものです。
当時、中国唐代より伝来した舞楽が福井の小さな村に伝わりました。戸数わずか37軒の糸崎の村人たちはおそらくその多くが文盲だったからでしょうか、口伝えでこの舞と雅楽を何と1200年間も伝承し続けてきたのです。
一年おきの4月18日にこの仏舞は奉納されます。舞仏、舞楽手など出演者すべてはこの寺の糸崎町で産湯を使った者に限られます。