金津は江戸時代に福井越前藩の奉行所が置かれ宿場町として発展した。寛永12(1635)年に参勤交代が制度化されると、さらに賑わい栄えた。その際大名や要職役人が宿泊するのは本陣といい、地元の名主の居宅が当てられた。名主初め金津住民たちはもてなしの気持ちを込め、食器や日用品など普段の生活の道具で飾り物を拵えその本陣に飾り、宿泊客の眼を楽しませた。参勤交代が消滅した明治以降は本陣の意味は変わり、飾り物が飾られた各地区の本陣はひとつの社とみなされる。祭壇を設けお神酒を供えて神輿と山車を迎える神聖な場所として受け継がれている。
福井「金津祭・本陣飾り物」
歴史を継承する金津人の心意気

Shozo Fujiiによって
コミュニティライター

稲田さんらが中心となって制作したこの飾り物が平成26年のあわら市長賞を受賞した。ちなみに、金津祭りの本陣飾り物は例年あわら市長賞の選考対象になっている

金津町六日区本陣の飾り物を仕切る稲田信夫さん。陶器の小皿を使い、カワセミと魚の鳥獣戯画のような場面を描いている

しゃもじでこしらえた飾り物。このように、飾り物は日用品で作られる

水口区の滝を登る鯉の飾り物。小皿にお椀と扇子で拵えてある

天王区は漆器の什器でクラシックカーを飾った

漆の什器やプラスチックボールなどを使った蟹。福井は越前ガニの本場である

金津町内のそれぞれの本陣にこうしてテントが張られ、飾り物の見物客を世話している

金津祭の中日には、地元「あわら観光」が無料の「本陣飾り物見学無料バス」を運行している。朝10時から二時間おきに4便。事前に電話で予約が必要。大変な人気であっという間に座席が埋まる

飾り物見学バスツアーは、途中、このような山車の巡行と笛太鼓踊りの奉納も見ることができる
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