福岡市の中心部に位置し、遡ること1929年から市民の憩いの場として親しまれている大濠公園。国内でも有数の水景公園で、池にある4つの島はそれぞれが橋で結ばれ、浮見堂を有しています。桜の時期に芝生でのんびりしたり、寒い時期に整備されたコースをジョギングしたりと、季節を問わず訪れる人を楽しませてくれます。公園の中心となっているのが絵に描いたようなお堀跡の池。その周りには曲線的に添う2キロの遊歩道とジョギングコース。大濠公園は、自然と都市空間が見事に融合された造りとなっています。
ピクニックをするなら、水辺に並ぶベンチや、児童公園の背後に広がる芝生が最適です。春には辺りを埋め尽くす桜、夏には蓮の花を楽しめる城跡付近もお勧めエリアです。お弁当を持参していない場合、地下鉄駅の側のコンビニや、駐車場のホットドッグスタンドで調達してみてもいいでしょう。屋内での食事を希望するなら、マリリンモンローがハネムーンで訪れたというレストラン「カフェ・インザパーク」に立ち寄るのも一案です。お茶だけの場合、水辺でジョギングをしている人たちを背後に眺めつつ、スターバックスにてカプチーノ&チョコレートケーキでもいいかもしれませんね。自給自足?そんな考えが浮かんだら、池の一部では魚釣りも出来ますよ。(禁止区域に注意。)
のんびりゆっくりくつろぐ前に、少し時間をかけて遊歩道を歩いてみたり、福岡市美術館(ミロやダリの作品が常設)で文化的刺激を受けてみたり、また、公園の南に位置する日本庭園や、興味があれば能楽堂へ足を運んでみるなど楽しみ方は様々です。
元気を持て余しているというのであれば、小さめではありますが、園の西に位置する家族連れに最適な児童公園(町では珍しい赤ちゃん用のブランコもここにはあります。)や、もしくは園の北東に位置する、少し大きめの児童公園で汗を流してみてもいいですね。児童公園では多くの子供たちが、見知らぬ子供たちと混じって仲良く遊んでいます。遊具を使うだけでなく、植物を観察したり、木々の間を探検したり、遊び方は様々。園内ではペット連れも多く、ちょっと興味を示すとすぐに寄って来る犬たちにたくさん出くわします。水辺に沿って能楽堂の方向に進んで行くと、レンタルボート乗り場に到着します。池の真ん中から公園を眺めたり、鯉にえさをやったりも出来ます。
ボート漕ぎが好みでない場合は、池に浮かぶ4島を繋ぐ石橋付近に舞う、人なつっこいカモメを相手にしてみるのも楽しいですよ。また、北の島にある赤い見晴し台「浮見堂」はとても魅力的です。(写真参照)木立を抜け、水辺に並ぶベンチに沿って進むと、美しい色をした鯉や、亀、数種の鴨、神秘的な鷹、サギ、その他大小の水鳥が、人を驚かせるほどの勇ましさで姿を現してくれます。
公園内を歩きながら一つ一つをよく観察すると、人工的に作られた都会の中に存在するこの自然の安息地に、心より感謝をすることでしょう。鳥や魚、様々な種類の木々や花に、目も心も癒されるはずです。夏には元気いっぱいの蝶やとんぼが空中を舞い、周辺に目を向けると、四季を通してカメラの被写体になるもので溢れています。特徴のある植物や動物の一部には、名称や説明の記された札も出ています。寒い季節には、簡単に見つけることができる美しい椿にも目を向けてみて下さい。そして一度、公園内で一呼吸おいて周りを見渡して下さい。その瞬間に「大濠公園」を感じられるはずです。友達を連れて、愛する人を連れて、そして公園で出会う新しい友人たちにもぜひ挨拶を。もしくは、ものを書くテーマを見つけに出掛けてみて、そこで見つけた心の内に秘められた平和を世に伝えてみるのもいいかもしれません。
8月1日には、福岡市民の夏のイベントである花火大会が大濠公園で催されます。公園の近郊には、舞鶴公園、福岡城の跡、護国神社、アメリカ領事館があります。園内の美術館、庭園、能楽堂は月曜日休館となります。(月曜日が祝日の場合は火曜日休館。)