大名の大通りを歩いていると、偶然にも、珠玉のような最高のレコード店を見つけた。私は天神駅に向かう途中だったが、歩道にあったピンクの看板を見たら、好奇心には逆らえなかった。自分の知的好奇心に誘われ3階まで上がると、そこには、私がこれまで日本で見た中でも、指折りのレコード店があったのだ。この店は70s Records(セブンティーズ・レコード)という名前で知られていて、パンクやオールドスクール・ロックなどを専門に取り扱っている。
ビニール盤のレコードは、完璧なほど整理されていて、この小さな店の壁を覆うように並んでいる。イギー・ポップやザ・ストゥージズのような、パンクロックの礎を築いたアーティストたちに始まり、実に様々な品揃えのレコードが置いてある。ミスフィッツやザ・クラッシュ、ラモーンズといった、パンクロックのジャンルに入るバンドたちのレコードが幅広く見つかるだろう。
きちんと整頓されたレコード棚のほかには、ちょっとしたすてきな本棚があり、バンドの伝記本が並べられている。ただし、ほとんどの本は日本語版だ。店内の反対側では、有名バンドたちのロゴを誇らしげにつけたTシャツやパーカーなど、かっこいい商品が目に入る。レザージャケットに付けるための、お気に入りバンドのバッジだけでなく、モヒカンをきちんとキープするためのヘアジェルまで置いてある。
また、この店は地元のパンクロックシーンを支援していて、近々あるライヴのフライヤー配布にも協力している。この辺りに来るのが初めてで、ナマの音楽を聴ける場所を探しているとしたら、ここはとっておきの場所だ。日本のパンクロック、さらには、特に九州のパンクロックのレコードまで揃っているのだ。この店はオンラインショップもあり、そこではレコードの購入や在庫の確認ができる。スタッフも、ものすごく親しみやすい。私は、日本語半分、身振り手振り半分で、レジの女性と会話をした。日本語が話せたら、もっと沢山の情報をやり取りできただろうと思う。もしこの界隈に来ることがあって、こういったことに興味があるなら、ぜひこの店に立ち寄ってみることをオススメする。