京都市左京区嵯峨野にある大覚寺は嵯峨天皇開祖による。当初は嵯峨天皇の離宮(別荘)であったが天皇崩御の三十数年後の貞観18(876)年、娘の正子内親王が離宮を寺院と改めた。しかし後年、亀山天皇や後宇多法皇が院政をこの大覚寺で行うなど日本史の中央にあったこともある。大沢の池は嵯峨天皇が中国の洞庭湖を模して造営したといわれ、遣唐使からもたらされた中国唐の様式(唐様)の影がそこかしこに見られる。大沢の池は単に大覚寺の庭園の装飾だっただけではなく、周辺の農地に対し灌漑の機能も備えていたことは付記しておかなければならない。
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