京都は私が世界で一番好きな都市の一つだ。この街ではあちこちで驚くべき歴史と伝統が、近代日本とうまい具合に融合している。友人や顧客が京都を訪れるたびに、私は必ず彼等に言う、「全日程を京都で過ごしても、見る物やする事には一切困らない」と。
とはいえ、単に京都に来て観光するだけでは物足りない人もいるだろう。何か特別な体験が必要かもしれない。そこで私が最近人に薦め始めたのは、日本の伝統衣装、浴衣や着物を着て街を歩いたり食事に出掛けたりすることだ。日本文化を学ぶ最高に楽しい方法というだけでなく、京都訪問中の写真家にとってもこれは絶好のチャンスなのだ。
京都には日本の伝統衣装を借りられる店が沢山あるが、私がいつも利用するのは夢京都だ。スタッフはフレンドリーでよく気が利き、観光場所(もしくは着物姿を見せびらかす場所)を薦めてくれる。近場だろうが前人未到の地だろうが、好みに合わせて選んでくれるのだ。もう一つ私が夢京都を薦める理由は、その抜群の立地だ。祇園の端、八坂神社のすぐ隣にあるのだ。ポートレート写真用に着物を借りる場合、顔のメイクアップサービスはないがヘアメイクはしてもらえる。
最近京都で着物姿になり、祇園に夕食に出掛ける顧客のポートレート写真を撮影した。もちろん京都を歩き回っていれば、着物姿で楽しむ日本人に運良くばったり遭遇するかもしれない。しかし自分専用のモデルがいれば探し回る必要などないではないか! しかしここで注意しておこう。着物姿のモデルを撮影していれば、群衆に取り巻かれるのは必定だ! 我々はまず八坂神社を出発し、神社裏手の円山公園に移動した。その後道路を横断して祇園に向かい、最終的に哲学の道の少し外れにある小さな神社、法然院に着いた。しかし法然院まで行くにはタクシーかバスを利用した方が賢明かもしれない。
